Mスポーツ・フォードWRTは4月19日、WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン開幕戦モンテカルロで同陣営の新型マシン『フォード・プーマ・ラリー1』にデビューウインをもたらした“元9連覇王者”セバスチャン・ローブが、第4戦ポルトガルでチームに復帰することを明らかにした。
ローブがふたたびプーマ・ラリー1のステアリングを握ることになる『ラリー・ポルトガル』は、5月19~22日にポルトガルで開催される今シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリーだ。ローブはこのラリーでイザベル・ガルミッシュと再タッグを組み、チーム5台目のラリー1カーで今季2勝目を狙う。
2022年DTMドイツ・ツーリングカー選手権開幕戦ポルティマオでの代役参戦も決まっているローブの最後のラリーは、記憶に新しい今年1月のラリー・モンテカルロだ。言わずと知れたラリー界のレジェンドは、自身の9回に次ぐ通算8度のチャンピオン獲得経験を持つセバスチャン・オジエとの“セブ対決”を制し、WRC史上最年長での総合優勝を飾ってみせた。
そんなシーズンオープニングでの成功の再現を狙うMスポーツ・フォードWRTにとって、第4戦ポルトガルは画期的なイベントとなる予定だ。Mスポーツ・フォードは同一イベントに5台のラリー1を投入する最初のチームとなるためだ。
レギュラードライバーのクレイグ・ブリーン、ガス・グリーンスミス、アドリアン・フルモー、第3戦クロアチアから計7戦に出場するピエール-ルイ・ルーベ、そしてポルトガルでチームに復帰するローブという、さまざまな才能を持ったドライバーたちが集結することは、イギリスの名門ラリーチームにとってエキサイティングな機会となる。
「プーマ・ラリー1のドライビングは、僕のお気に入りのラリーの思い出のひとつになっている。長い時間を経てふたたびモンテカルロで勝利を手にしたことは信じられないほどだ」とローブは語った。
「シェイクダウンで直面した困難な問題を、チームが素早く解決してくれたおかげでWRC通算80勝目を挙げることができた。このクルマの最初のテストから、すぐにとてもいいフィーリングを得られていたし、ハイブリッドシステムによってパワーアップしたドライブを楽しんでいた」
「素晴らしいクルマと素晴らしいチームと一緒に、素晴らしい瞬間を祝うことができた」
WRカーで最初にポルトガルを訪れた2007年のラリーで、全18ステージ中11本のSSを制して優勝したローブは、2年後の2009年に大会2勝目をマーク。さらに2度の表彰台を獲得し、ステージ勝利数は通算32を数える。
「ポルトガルは僕の今年のカレンダーで空いている場所を埋める。それはグラベルラリーだ。僕は2019年にこのバーションのラリーに参加したので、いくつかのステージのペースノートのベースを持っている。それがポルトガルを選んだ理由のひとつだ」
「もうひとつの理由はグラベルラリーをやりたかったからだ。砂利道を走ることが好きだから、というとても分かりやすい選択だったよ」