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S-GT2022 rd1 Okayama Final
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

決勝レースは19番グリッドからポイント圏内への進出を目指したが
抜きにくいコースとラップタイムが上がらなかったことで
ミスなく走ったものの12位で開幕戦を終える

気温:21度、路面温度:45度(スタート時)

 今季も8戦のシリーズ戦で競われる『AUTOBACS SUPER GT 2022 SERIES』が岡山国際サーキットで開幕を迎えた。コロナ禍以前に開催されていた海外戦は2022年も不確実な状況のために実施されず、国内の6サーキットで8戦が行われる。開幕戦は恒例となっている岡山国際サーキットが舞台で、4月16日(土)に公式練習と予選、17日(日)に300kmの決勝レースが実施された。

 昨シーズンからGR Supra GTにマシンを変更したLMcorsaは、シーズン序盤からニューマシンのパフォーマンスを引き出して年間2勝を挙げる活躍をみせた。今季の目標はポイントを着実に積み上げていき、シーズン通して上位でレースを終えることで最終的にシリーズランキングの飛躍を求めている。

 しかし、16日に行われた公式練習からSyntium LMcorsa GR Supra GTの本来の性能を引き出せずに苦戦をしいられた。3月に実施された岡山国際サーキットでの公式テストでも、タイヤやセットアップの調整が合わずタイムが伸びなかった。チームとしては原因を探っているものの確証までにはたどり付かず、今回もライバル勢から遅れをとることとなった。それでも、予選までに行ったセットアップの変更が奏功し、予選Q1では公式練習に対して1秒ほどラップタイムが向上し1分25秒757をマークした。だが、ライバル勢もタイムを伸ばしたことで予選Q2への進出を逃し、決勝レースは19番グリッドからのスタートとなった。

 決勝日の17日(日)も前日と同様に朝から好天となる。予選日も日差しは強かったものの風が強く肌寒い気候だったが、決勝日は気温が20度を超えて路面温度もお昼過ぎには40度まで上昇した。決勝レース前の最終チェックとなるウォームアップ走行は、スケジュールどおりの12時40分から20分間で実施された。チームは決勝レースに向けてセットアップのチェンジを提案し、このウォームアップ走行で試すこととなった。スタートドライバーを務めた河野駿佑選手がウォームアップ走行を担当し、ピット作業のシミュレーションも含めて計10周を走行した。変更したセットアップは悪い方向に進んでいないということで、そのままのマシン状態で決勝レースに挑んだ。

 300kmの決勝レースは予定されていた14時にフォーメーションラップが始まる。河野選手がステアリングを握り19番グリッドからスタートしたSyntium LMcorsa GR Supra GTは、ポジションキープしたままオープニングラップを終える。だが3周目には加速性能に勝っているGT-Rにかわされて20番手にポジションを下げる。その後は先行したGT-Rを追うが、マシン特性が異なるためパッシングするには至らない。

 20番手のままだがトップ集団からは周回を重ねるごとに離されていき、10周目にはトップと約20秒の差が生まれてしまう。スーパーGTの規定はレース周回数の1/3が終了するまでドライバー交代ができないため、今回のレースは少なくとも25周くらいまで第1スティントを引っ張る必要がある。河野選手はポジションを守ったまま粘り強く走り、ドライバー交代が可能となる25周目にピットに戻る。チームはピット作業を少しでも短縮させ、ライバル勢の前に出る戦略を採った。4本のタイヤ交換と給油、ドライバー交代のピット作業時間は他のチームよりも短く、抜群のチームワークで後半のスティントに入った。

 25番手でコースに復帰した吉本大樹選手は、50周ほどのスティントとなるためタイヤを労りながら序盤は走ることとなった。それでも先行していたマシンがピット作業に入っていくと30周目には23番手、35周目には18番手、40周目には16番手まで順位を上げていく。全車が規定のドライバー交代とピット作業を終えた46周目には15番手となっていて、ポイント圏内まで先行するマシンは残り5台となった。だが、終盤もラップタイムは伸びず、ライバル勢よりも1秒ほど遅れる周回もあり、ポジションは守るものの先行するマシンとのギャップは開いてしまう。

 残り10周を切ったところでトップ10内の2台のマシンが接触によってポジションを下げ13番手まで浮上。だが、ポイント圏内の10位には届かず76周目に13位でチェッカーを受けた。正式結果では先行したマシンにペナルティが与えられたため12位となったが、開幕戦は失意ノーポイントで終えることとなった。ゴールデンウィークに開催される次戦までにテストの機会があるので、今戦の修正点を洗い出し験の良い富士スピードウェイラウンドに挑む。

コメント
飯田章監督

「ドライバーもメカニックもミスなくスタートから順位は上げられましたが、ポイントを獲得することができませんでした。チームワークで12位までアップできましたが、ペースが上がらず苦戦してしまいました。今回は公式練習からラップタイムが上がらず、その原因を探りながらのレースになってしまいました。次戦までに上位で競えるように改善点を見つけて、速さのあるマシンに仕上げていきたいです」

吉本大樹選手

「決勝レースは後半のスティントを担当したのですが、序盤からグリップ不足に悩まされ最後まで周回できるのか分からない状態でした。ラップタイムもライバル勢には遅れをとっていて、コース上で勝負することはできませんでした。今シーズンはポイントを取りこぼさないようにと話してきましたが、開幕戦から厳しい状況になっています。次戦までにテストもあるので、徹底的に今の不調の原因を追及しなければいけません」

河野駿佑選手

「決勝レース前のウォームアップ走行では、それまでと大幅にセットアップを変えてマシンの状況を確認しました。マイナスな方向ではなかったので、その状況でスタートしました。しかし、ペースが向上することはなくほぼポジションキープの状態で担当したスティントを終えました。GR Supra GTの得意なコーナリングスピードが活かせないと加速域ではGT3勢に負けてしまうので、長所を活かす戦いができないと厳しいと感じています」