◆ドリフの最大の特徴であり武器は「5人いる」ということ
夏が近づいてきたんだね。このところ続けてハワイアンのイベントがあって、僕も仲間と出演しました。今年の夏は、あちこちのステージに立てるかな。やっぱり僕にとっては、お客さんの前で演奏して歌うことが元気の源です。インスタで最新情報をアップしているので、よかったら会いに来てください。
ドリフターズのコントは「リズムがポイントになってる」って話をしたことがあるけど、最大の特徴であり最大の武器は「5人いる」っていうところだと思う。5人いるからドリフのコントの笑いが生まれる。落語や漫談はひとりでやるし、漫才はふたりが多い。3人や4人のグループでコントをやることもあるけど、5人のグループはほとんど見たことがない。
しかもドリフは、長さん(いかりや長介)という絶対権力者がいて、ほかの4人はそれに従うというハッキリした上下関係がある。弱い4人が強い1人に立ち向かって、どうにかして煮え湯を飲ませるっていうのが基本のパターンだったよね。見ている人もそれがわかっているから、設定が学校だろうが家庭だろうが、すんなり話に入っていける。
探検隊のコントで、隊長に言われてロープにつかまりながら川を越える場面でも、僕があぶなっかしいながらもうまくいって、次の仲本(工事)はあっさり成功する。そのあとで加藤(茶)や志村(けん)がヘンなことをしたり失敗したりするから、大きな笑いになる。キャラクターが違う5人でやることで、立体的な話になるんだよね。
僕や仲本がいなくて最初から加藤や志村が出てきて失敗しても、きっとあんまり面白くない。逆に、僕や仲本がヘンにウケるようなことをしたら、そのあとで加藤や志村がウケても、コント全体の面白さとしてはイマイチになっちゃう。やっているうちにだんだんわかってきたことなんだけど、ウケないことに僕の存在意義があったってことかな。
意外と難しいのが、たとえば自分が先に川を渡り終えたあとにどうしているか。ボーッと突っ立ってちゃいいけないし、目立ってもいけない。ほかのメンバーの動きを邪魔しない場所にいて、たとえば志村が川に落っこちたら、それに合わせて驚いたようなリアクションを取る。全体を見渡して、バランスを考えた芝居をする必要があるんだよね。
そのへんは、長さんやディレクターに「ここはこうしろ」って教えられたわけじゃない。どのメンバーも「今、自分はどうすればいいか」をわかってた。娘に聞いたんだけど、ネットのコメントとかで「子どもの頃は、高木ブーって何のためにいるのかと思ってたけど、大人になってから理由がわかった」なんて書いてる人がちょくちょくいるらしい。子どもから見たらそうだよね。まあ僕自身も、当時は無意識にやっててあとで気がついたんだけど。
セットにお金と手間がかかってたのも、ドリフのコントの特徴だよね。このあいだの「ドリフに大挑戦スペシャル」のときも、劇団ひとりくんがセットの豪華さに驚いてたけど、「8時だョ!全員集合」はもっともっとすごかった。家全体が崩れるのは当たり前で、本物のパトカーが家の屋根に飛び出してきたこともあったもんね。
セットを作る大道具さんたちも、プロ意識のかたまりだった。毎週、金曜日の立ち稽古のときは、立ち位置の線だけ引いてある。頭の中でセットをイメージしながら稽古して、土曜日の朝10時に会場に行くとセットが出来上がってた。徹夜で作ってたんだろうね。
あらためてリハーサルして、その段階で「ここで屋根から落っこちるようにしてほしい」って、長さんやメンバーから注文を出すこともあった。最初は「そんなことできねえよ」って怒られたけど、「面白くするために必要なんです」って頼みこんでいるうちに、気持ちがひとつになってきたかな。ある意味、プロ同士の真剣勝負だよね。
志村は、そうやって「全員集合」のコントのスタイルが固まったところに入ってきた。得したって言い方はヘンかもしれないけど、ドリフというグループの中でほかのメンバーとコントをしたから、あいつの才能が開花したってのはある。一時期、ドリフを抜けてコンビでやってたこともあるんだけど、戻ってきてよかったよ。もちろん、志村のおかげでドリフも番組もパワーアップした。そこはめぐり合わせってやつだよね。
引用元: ・【芸能】高木ブー「ウケないことに僕の存在意義があった」、今明かす、全員集合当時のコント秘話 [ネギうどん★]
70まで働くのが目標
同期の出世頭は40前半で部長補佐まで上がったがそこから行き詰まり50で会社を辞めた
ブーさんの大事な役割
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