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2021年1月頃から3DCenterでは月2回ほど欧州で販売がされているGPUの販売価格の集計がまとめられており、今回、5月29日付の情報が公開されました。一時期は定価に対して3倍、2021年は平均して約2倍の価格で販売がされていたGPU価格も最新の集計では過去最低を記録しています。また、日本においてもGPUの販売価格は依然として下落傾向にあるようです。

2022年5月29日時点のGPU販売価格情報が公表

3DCenterでは2021年1月頃から欧州域内でのGPU販売価格情報と在庫量について月に2回ほど集計を発表しており、今回は2022年5月29日分が発表されました。

2022年に入り始めて値下がり傾向にあるGPUの販売価格について、定価まであと一歩と言う状況にまで来ているようです。

News of 28/29 May 2022 | 3DCenter.org

下落幅は3週間で約5~7%。定価まであと一歩の所まで到達。

2022年5月29日付で集計された結果によると、NVIDIA製GPUについては定価に対して106%、AMD製は102%と言う販売価格になっており、販売価格は限りなく定価に近い状況にあるようです。

下落幅で見て見ると、約3週間前にあたる5月8日時点ではNVIDIA製が定価に対して113%、AMD製が107%という事で3週間で5~7%ほど販売価格が下落した事になります。

また、在庫量については依然として積みあがっている状態にあり、減る様子は一向にありません。2022年に入ってからはグラフ上では右肩上がりとなっており、価格が定価に近づいている状況でも売れ行きについてはあまり芳しくない事が伺えます。

 

GPUの販売価格は2022年1月2日時点ではNVIDIA製が185%、AMDが178%でしたが、たった半年程度でNVIDIA製は79%、AMD製は76%の販売価格下落が記録されています。この状況に嘆いているのは定価以上での販売を見込んで仕入れた量販店や代理店のみならず、転売屋もいるようで、Videocardzに寄せられた写真では、転売屋と見られる人物が大量のGPUを返品しようとしている様子が写されています。

ちなみに、この画像が撮影されたのはアメリカのBestBuyと見られていますが、ここは未開封でも購入から15日が経過して返品をすると15%の返品手数料がかかります。ですので、この転売屋は恐らく大損を喰らったことでしょう。

悪夢の2021年5月から1年。この1年を振り返る。

GPUの販売価格については3DCenterが2021年1月17日以来、欧州でのGPU販売価格や在庫量調査を行っています。この調査が行われるきっかけとなったのが、2020年末から徐々に深刻化して行っていたGPU在庫不足です。ただ、在庫不足に続き、販売価格の高騰も見られ始め、約1年前の2021年5月頃にはNVIDIA製GPUは定価に対して約3倍、AMD製は約2倍と言う法外な販売価格で取引が行われていました。その大きな原因の一つがEthereumを筆頭とする仮想通貨とマイニングブームで電気代が安い中国や中東では1つの町が使う以上の消費電力がマイニングに利用された事もあり、イランではマイニングが原因で大規模な停電も発生し、政府がマイニングの禁止を通達するにまで至っていました。

【やじうまPC Watch】イランが仮想通貨マイニングを禁止。停電続発など生活に影響 – PC Watch

そんなマイニングも2021年6月頃からはEthereumなど仮想通貨価格が下落した事によりマイニング目的とするGPU需要は落ち着き始め、7月頃にはGPUの定価に対して販売価格が1.5倍程度にまで下落します。しかし、その後から仮想通貨価格は徐々に値上がりし始め、それに吊られるようにGPUの販売価格も上昇、2021年12月時点ではNVIDIA、AMD両社のGPUは定価に対して1.8倍程度で販売が行われていました。

2022年頃から世界各国で新型コロナからの経済回復がきっかけでインフレ傾向になります。これにより、原油などエネルギー価格が上昇、電気代の値上げが行われた事でマイニングで収益を上げる事が困難になります。さらに、2022年3月にはロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格の更なる高騰が各国を襲い、同時にアメリカではインフレを抑制するために利上げが行われるなどして、Ethereumを中心とする仮想通貨価格も大きく下落します。これにより、GPUの需要が大きく減ったのか2022年からはGPUの価格は毎月下がる一方で、在庫量については右肩上がりと言う状況になっています。

日本でのGPU販売価格もまだまだ下落中。RTX 3080は12万円、RTX 3070は7万円後半で購入可能に

欧州でのGPU販売価格は2022年に入り始めてから値下がり一直線となっていますが、日本でも販売価格が大きく下落している状況にあります。

ハイエンドモデルのGeForce RTX 3080では2022年1月頃までは14~15万円前後で販売されていることが多かったのですが、2022年5月31日時点ではドスパラで販売されているPalit製GeForce RTX 3080が12万800円で販売がされています。また、MSIでもVENTUS 3X PLUSが12万1800円で販売されているなど、2020年9月に発売開始された時に近い価格帯での販売になっています。

アッパーミドルとなるGeForce RTX 3070では2021年以降は10万円以上で販売されているのが標準でしたが、現在はドスパラで販売されているPalit製GeForce RTX 3070が7万7800円で販売がされています。また、ZOTAC製やMSI製についても9万円を下回る価格での販売がされています。なお、RTX 3070については2020年10月末発売時点では最安値が64,500円となっていたため、今の価格は1万円以上高いですが、円安や物流費高騰などを考慮すると発売当初よりは安いという見方もできます。

ミドルレンジのGeForce RTX 3060は2021年2月26日の発売当初は最安値が5万2800円で販売が開始され、その後2021年後半にかけては7万円前後で販売がされていました。しかし、5月31日現在はドスパラのPalit製が51,980円、MSI AERO ITXが54,980円となっており、発売開始時の価格でさえも下回る可能性が出てきています。

 

あと半年も経たないうちにNVIDIA、AMD共に次世代GPUを発売する事は確定であるため、ある程度情報を追っている人であればこのタイミングで定価販売がされていてもグラフィックスカードを買う事はないと思います。もしRTX 3090とかRTX 3080が定価に対して7割ぐらいで販売されているのであれば考えるかもしれませんが、それ以上は出す価値無しと言えそうです。

日本でも在庫が多く積みあがっているのかグラフィックスカードを価格.comで検索をかける度に販売価格が下がっているので価格を下げても売れない状況に来ているのかもしれませんね。

モノの需要が高まると値段が上がるのは仕方が無いことですが、需要が無いのに値段を上げたままの期間が今回の場合は長かったのか、在庫が捌けず売り時を逃したような気がするのですが、これからどうするのですかね?

まさかですが、在庫補填してその損失をRTX 4000シリーズを高値で売って埋め合わそうとか考えていない事を祈りたいです。まぁそんなことしたら海外から直接買うわって話ですがね。

 

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