| 近いコンセプトを持つハイパーカー、アストンマーティン・ヴァルキリーとの対決にも期待したい |
市販モデルのパフォーマンス、仕様については現在まだわからず、発表をひたすら待つしかなさそうだ
さて、2017年9月に開催されたフランクフルト・モーターショーにて発表されつつも、その開発の遅れから納車開始がなんどとなく遅れていたメルセデスAMG One。
F1マシン直系の1.6リッターV6ターボと4つのエレクトリックモーターにて構成されるパワートレインを持ち、1000馬力を発生すると言われていますが、このパワートレインを市販車用に手懐けることが非常に難しく、これまでにも多数の困難が報じられています。
ただ、メルセデス・ベンツはそういった幾多の障壁を乗り越え、そして最後の難関をもクリアしたと見え、ついに今回メルセデスAMGから公式に「6月1日に生産モデルのワールドプレミアを行う」というコメントが出されることに。
メルセデスAMG Oneはこんなクルマ
そこでこのメルセデスAMG Oneを振り返ってみたいと思いますが、パワートレインは上述の通り1.6リッターV6ターボ+エレクトリックモーター。
このエンジンは「F1の技術を反映させて設計したエンジン」ではなく、「まんまF1のエンジン」だとされ、レッドゾーンは市販車向けエンジンとしては最高となる部類の1万1000回転(アストンマーティン・ヴァルキリーに積まれるコスワース製のV12エンジンはこれを上回る1万1100回転)。
高回転しか使用しないF1マシンとは異なり、ほぼ低回転しか使用しない市販車向けにこれを転用するのは並大抵の努力ではかなわず、よって様々なイベント、もしくはテストにおいてもすぐにエンジンがストールし再始動できなくなる様子が目撃されていますが、F1マシンに積まれる状態だと5000回転に維持されるアイドリングを(騒音や排ガス規制への対応のため)AMG Oneでは1200回転に引き下げる必要があり、これもまた大きなハードルであったと言われます。※さらには高い頻度でメンテナンスを行うことが前提であるF1用パワーユニットだけに、5万キロ走行ごとにAMG Oneのパワートレインもリビルトが必要になると報じられているので、維持費はとんでもなく高くなりそう
なお、この(メルセデスAMG Oneの開発における)難しさについては事前に予測できるものではなかったといい、つい最近になってメルセデス・ベンツのCEOであるオラ・ケレニウス氏は「AMG Oneの開発にゴーサインを出した際、きっと自分は酔っていた」のだろう、というコメントを発したばかり。
-
メルセデス・ベンツCEOはAMG Oneの開発許可に後悔?当時を振り返り「プロジェクトにYESと言ったとき、私はきっと酔っ払っていたに違いないと思います」
| メルセデスMAG Oneの発表は2017年、発売予定は2019年。ただし今に至るまで1台も生産されず | おそらくは今年中に生産開始、そして2週間以内に何らかの情報提供があるというが さて、メルセ …
続きを見る
ただしすべての障害を排除して発売できた暁には、0-200km/h加速6秒以下、最高速度350km/hを達成することができるとされ、エレクトリックモードでの走行可能距離は約25km。
そしてメルセデスAMGは「ニュルブルクリンク最速タイムを更新できる」とも豪語しており、アストンマーティン・ヴァルキリーとのラップタイム争いにも期待がかかります。
販売価格は272万ドル(日本円では3億5000万円程度)、限定台数は272台のみに設定され、もちろん全台数が完売済みとなっており、AMG Oneをオーダーした人にしか購入権が付与されない「メルセデスAMG GT ブラックシリーズ P Oneエディション」の納車も始まっていますね。
加えて、AMG Oneのオーナーには「オーダーメイドのレーシンググローブ」を作成するというサービスも(随分前に)開始されており、すでに注文した人々にとっては「やっと製造開始か・・・」といったところなのだと思われます。※下の画像のようなフォームが贈られてきて、これに手を押し付けて形を記憶させた後にメルセデスAMGに返送すると、自分サイズのレーシンググローブを製造してもらえる
-
【動画】米不動産王に限定スーパーカー、メルセデスAMG GT ブラックシリーズ「P One エディション」が納車される!これが北米第一号らしい
| 本来だと、とうの昔にメルセデスAMG Oneも納車されているはずだったが | このメルセデスAMG ブラックシリーズ P Oneエディションは思ったよりもかなり(塗装に)手が込んでいるようだ さて …
続きを見る
メルセデスAMGがインスタグラムにて公開した公式ティーザー動画はこちら
合わせて読みたい、メルセデスAMG One関連投稿
-
メルセデスAMG One市販モデルの出力は予定の1,000馬力から1,200馬力へ?様々な問題をクリアし発売が目前に迫る
| さすがのメルセデスAMGでもF1のエンジンを市販車に転用するのは難しかったようだ | さて、なにかと開発に手間取っていることが報じられるメルセデスAMG One。開発が思うように進まない理由のひと …
続きを見る
-
2017年発表のメルセデスAMG Oneがようやく開発(ほぼ)終了との報道。開発期間18ヶ月の予定が大きく遅れて2022年夏から生産開始、やはりF1用エンジンは神経質だった
| メルセデスAMGはF1用エンジンを「一般のクルマ」に転用することを甘く見ていたとも報道されている | それでもようやく開発完了、あとは納車を待つばかり さて、これまで生産開始が「延期に延期」されて …
続きを見る
参照:mercedesamg(Instagram)
Copyright © 2022 Life in the FAST LANE. All Rights Reserved.