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火災にて焼け落ちたフィアット「ディーノ・スパイダー」が競売に登場!フェラーリ・ディーノと同じV6エンジンを積み、フェラーリの工場で製造された「フェラーリの兄弟車」

| なぜエンツォ・フェラーリが「ディーノ」の名をこのフィアット・ディーノ・スパイダーに与えることを許したのかはわからない |

おそらく当時はフィアットの条件を呑まねばならない事情があったのだろう

「ディーノ」というとフェラーリ・ディーノ(206 /246)を思い出しますが、今回オークションに出品されたのはフィアットのほうのディーノ(日本円にして約260万円くらいで落札されている)。

つまりディーノにはフェラーリとフィアットとが存在するわけですが、これはどういうことかというと、まずフェラーリにはV6エンジンを大量に作る能力が(当時)なかったので、エンジンの生産をフィアットに委託したことから話が始まります。

そして「エンジンを大量に生産する必要があった」のは、このV6エンジンをF2マシンへと積むためのホモロゲーションを取得するため(一定の生産台数が必要だった)で、そのためフェラーリはエンジンをフィアットに製造させることになったわけですが、それだけの数のエンジンをフェラーリのクルマに積むことのみでは消化しきれず、よってフィアット名義でもV6エンジンを搭載したクルマを販売することにより、エンジンの生産と車体の販売療法を満たすこととなったわけですね。

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フィアットブランドからは「ディーノ・スパイダー」と「ディーノ・クーペ」が発売

なお、エンツォ・フェラーリは「V12以外のエンジンを積んだクルマはフェラーリとは呼ばない」と公言していたとおりV12エンジン以外を認めず、よって愛する息子であるアルフレッド(愛称ディーノ)が考案したV6エンジンを搭載したクルマであってもフェラーリのエンブレムを装着することを嫌い、当初はフェラーリのエンブレムやバッジを一切装着せずに(フェラーリから発売したディーノであっても)フェラーリの名をいっさい排除しています。

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そして当時は「ディーノ」を車名というよりはサブブランドとして活用しようと考えていたとも言われますが、なぜここでフィアットにも「ディーノ」の名称を使用することを許可したのかは全くの不明。

エンツォ・フェラーリは「フェラーリの名誉を守る」ことを第一義に考えてディーノブランドを作ったわけですが、そのディーノブランドとてフェラーリの一部であり、そのフェラーリの一部であるディーノの名、しかも愛する息子の愛称をフィアットにも与えたわけですね。

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おそらくフィアット側には「ディーノ」の名を使用することでセールスが有利に働くという思惑があったのかもしれず、よってフェラーリとの間で様々な交渉が行われたのだと推測しますが、はたしてフィアット側からは「ディーノ・スパイダー」そして「ディーノ・クーペ」という2モデルが発売されることに。

そしてもちろんエンジンはフィアット製のV6ではありますが、車体のアッセンブリは(フェラーリ)ディーノそして(フィアット)ディーノ・スパイダー、ディーノ・クーペともにフェラーリが担当し、フェラーリとしてはフィアット側のディーノが売れたとしても(アッセンブリーによる)利益を獲得できる構造を作っていたもよう。

実際のところディーノ206は152台のみの生産にとどまっているものの、同じ2リッターV6エンジンを積んだディーノ・スパイダーは4833台が販売されているので、フェラーリとしては「フィアットのディーノを作ることで」けっこう潤ったであろうことは想像に難くありません。

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このフィアット・ディーノ・スパイダーは火災によって大半が焼け落ちる

そしてこのディーノ・スパイダーは1968年に生産された一台であり、1969年から製造が開始された2.4リッターV6エンジン搭載モデルに比較すると台数的に「希少」な存在。

1977年にはガレージにて保存されることとなったようで、しかしその後どこかで火災にあってしまいこのような姿となってしまったと紹介されていますが、レストアに際しては一旦全てを分解して仕上げ直す必要がありそうに思われ、かなりのコストと根気が要求されそう。

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ただしディーノ・スパイダー、ディーノ・クーペは比較的パーツも(中古市場で)入手しやすいとも言われており、フェラーリ・ディーノよりはずいぶん安く修理を完了させることができるのかもしれませんね。

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参照:Histrics Auctioneer

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