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TikTokは米国時間3月29日、新しいアプリ内作成ツール「TikTok Library」を発表した。クリエイターがエンターテインメントコンテンツにアクセスしたり、トレンドに参加したりしやすくなることを期待している。当初は、GIPHY Clips(ジーフィークリップス)と呼ばれる音声付きGIFのコレクションなど、GIPHY(ジーフィー)から厳選されたコンテンツがライブラリに掲載される予定だ。時間の経過とともに、TikTokは追加のコンテンツソース、オーディオやサウンド、テキストテンプレート、その他のTikTokクリエイターのコンテンツでライブラリを拡張するとしている。

ただし同社は、そうした取り組みのために将来的にどのようなパートナーと提携するのかについては言及を避けた。

2019年にGIPHY Videoとして開始された今日のGIPHY Clipsは、テレビや映画のスタジオ、ゲームメーカー、レコードレーベル、スポーツリーグ、ニュースメディアなどのエンターテインメントパートナーが、GIPHYのプラットフォーム上で適切にライセンスされたコンテンツを共有するための手段だ。この機能は時間とともに拡大し、音声付きGIF(短編動画としても知られている)を活用してGIPHYの数億人のデイリーアクティブユーザーにリーチしたいと考える何千ものコンテンツメーカーが参加するようになった。これらのGIPHY Clipsは、GIPHYの開発者向けツールセットであるGIPHY SDKを介して、ウェブ上のリンク、メッセージングアプリ内、Slackなどの職場用ツール、その他のサードパーティアプリケーション内のどこでも共有することが可能だ。

画像クレジット:TikTok

TikTokによると、さし当たってはリアクション、引用、人物、アイコニック・モーメントといったGIPHY Clipsのカテゴリーをサポートする。

リアクションは、誰かの生の感情をとらえたGIFで、引用は著名人の印象的なキャッチフレーズや格言だ。人物は、有名人やスポーツ選手などファンを抱える人に特化したカテゴリーだ。そしてアイコニック・モーメントは、スポーツの名プレーや授賞式のスピーチなど、大きなイベントでの忘れられない瞬間だ(おそらく、私たちが3月27日にアカデミー賞授賞式で目撃したものなど)。

TikTokへの統合には、GIPHYの幅広いライブラリからの数百万のGIFに加えて、数万のGIPHY Clipsライブラリの一部が含まれると同社の広報担当者は述べた。

TikTokはすでにソーシャルビデオアプリで多くのクリエイティブツールを提供しているが、クリエイターの自己表現をサポートする新しい方法を探し続けているという。そこで、GIPHYとの統合が実現した。

この機能を使うには、TikTokのユーザーはアプリのカメラ画面の垂直サイドバーにある新しい「ライブラリ」アイコンをタップする。ライブラリに入ると、トレンドのコンテンツをスクロールしたり、検索バーを使ってより具体的なものを探したりすることができる。使いたいコンテンツを選んだら、好きな長さにクリップし、撮影画面に戻って動画の撮影を続けることができる。

画像クレジット:TikTok

TikTokによると、ライブラリ機能はまずAndroidの一部のマーケットで展開され、iOSでは来週、そして今後数週間で世界中のより多くのTikTokユーザーへと拡大される予定だ。

もちろん、Facebook(フェイスブック)の最大の脅威の1つとなっているTikTokが、Facebookがかつて4億ドル(約490億円)で買収した会社のコンテンツを活用して短編動画アプリを改良しているという皮肉もそこにはある。しかし、Facebook、現在のMeta(メタ)は英国の競争市場庁(CMA)が反競争的との視点で買収取引を調査したため、GIPHYを完全に統合することを阻止されている。CMAは2021年11月、MetaにGIPHYを売却するよう求める判断をした。Metaは現在、その判決を不服として控訴している。しかし、もしMetaがGIPHYを完全に自社に統合することが許されていたら、このようなTikTokの統合は進んでいたのだろうかと思わざるを得ない。

公平を期して言えば、これはTikTokにとって初めてのGIPHY統合ではない。TikTokは以前、Green ScreenでStickersGIFsを立ち上げた。しかし、GIPHYの動画を活用するのは今回が初めてだ。

TikTokはGIPHY統合をより広範な機能の始まりにすぎないとしているが、考えられる将来のパートナーについての詳細がないため、この追加はまだ初期段階のようだ。「TikTok Library」と呼ぶことで、単純なGIPHY SDKの統合よりもずっと興味深いものに聞こえる。

さらに、この機能がより完全なものになる前にLibraryを発表することで、TikTokは今週末のアカデミー賞授賞式とそれに付随するハイライトや修羅場といった最新のポップカルチャー・モーメントの勢いにすばやく乗ることができ、これらはすでに数百万回試聴されたTikTokビデオに組み込まれている。

画像クレジット:Nur Photo / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi