Audi R8 LMS GT3 evoⅡ
ニュルブルクリンクに23万人の観客が集結
50回目の記念大会となった2022年のニュルブルクリンク24時間レースは好天に恵まれ、さらに終盤の天候の変化により、スリリングなバトルが各クラスで展開。新型コロナウイルスによる制限から解き放たれ、23万人もの観客がサーキットへと集まり、モータースポーツの祭典を満喫した。
アウディは R8 LMS GT3 evoⅡは、トップフィニッシュを果たしたアウディ・スポーツ・チーム・フェニックスの15号車を筆頭に、4台がトップ10で完走。アウディ・スポーツのカスタマーレーシング担当トップのクリス・ラインケは次のようにチームを祝福した。
「まずはアウディ・スポーツ・チーム・フェニックスを心から祝福します。終盤のコンディションの変化には、コース上のドライバーだけでなく、ピットにいるメカニックやエンジニアにとってもタフな戦いとなりました。だからこそ、この勝利には特別な意味があります」
「また、ようやくレースファンがサーキットへと足を運び、レースウイークをひとつのパーティとして楽しんでいたことも、この成功に素晴らしい意味を与えてくれています」
予選22番手から大逆転を果たした15号車
今回のレースは、まさに24時間のスプリントレースとも言える激しい戦いとなった。これは優勝した#15アウディ・スポーツ・チーム・フェニックスを含め、トップ6までが159周を走行したことにも表れているだろう。この159周は、2014年のニュルブルクリンク優勝時にアウディが打ち立てた、最多ラップ記録に肩を並べることになった。
15号車の4名(フラインス/ファン・デル・リンデ/バントール/ヴェルヴィッシュ)は、22番グリッドからスタート。ペナルティを受けることなく、レースを通して順調にポジションを上げることに成功した。さらに終盤に激しい雨が降る状況でも、チームは適切なタイヤ選択で対応している。
15号車はほぼノートラブルで159周を走り切って、トップフィニッシュ。ファン・デル・リンデ、バントール、ヴェルヴィッシュにとっては、アウディでのニュルブルクリンク24時間2勝目、フラインスにとっては待望の初勝利となった。
アウディ・スポーツGmbHのマネージングディレクター、ユリウス・シーバッハは「この勝利は、強力なチームパフォーマンスの証明となりました。新型アウディR8 LMS GT3 evoⅡは、強力なライバルに対して、勝利をもたらことができるクルマだと証明しました」と、喜びを語っている。
あと一歩で表彰台を逃した22号車
#3のメルセデスAMGチーム・ゲットスピード・メルセデスAMG GT3が2位、同じく#4のAMGチーム・ゲットスピード・メルセデスAMG GT3が3位に入り、#22アウディ・スポーツ・チーム・カーコレクション・アウディR8 LMS GT3 evoⅡ(クリストファー・ハーゼ/ニコ・ミュラー/パトリック・ニーダーハウザー/レネ・ラスト)は4位と、惜しくも表彰台を逃すことになった。
アウディ勢予選最上位となる2列目からスタートした22号車だったが、レース中に2度のタイムペナルティを課されて優勝争いから脱落。それでもレース終盤には、表彰台圏内までポジションを戻してみせた。5位には#16シェーラー・スポーツ・チーム・フェニックス・アウディR8 LMS GT3 evoⅡ、6位にも同じくアウディR8 LMS GT3 evoⅡの#24アウディ・スポーツ・チーム・カーコレクションが入っている。
また、激戦のTCRクラスに参戦したマックス・クルース・レーシングチームのアウディRS 3 LMSは、午前中のアクシデントにより、リタイアを余儀なくされた。