5月12日〜14日までパシフィコ横浜で開催された「ジャパントラックショー2022」には過去イチの台数のトラック/トレーラが登場。
なかでも勢いを感じたのが輸入トレーラで、レーシングカー/高級輸入車輸送で知られるトランスウェブが立ち上げたEUトレーラーズはさまざまなメーカー/バリエーションの輸入トレーラを出品。会場ド真ん中にたくさんのトレーラを並べて注目を集めていた。
輸入トレーラというと、ついつい国産車と違う見た目にばかり目が行きがちだが、トラック/トレーラはモノを運んでナンボ。実際の性能/使い勝手はどうなのか? というわけで今回はオランダのファンエック・トレーラーズ社の2台の特殊トレーラの実力に迫ってみたい。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
カゴ台車を単車の大型トラックの2.26倍運搬できるファンエック・トレーラーズの「ツインデッキ」
ファンエック・トレーラーズ(Van Eck Trailers BV)は1912年に設立されたオランダのトレーラメーカー。オーダーメイドの特殊トレーラを得意とし、「Eckspress(エックスプレス/航空貨物用トレーラ)」や「Eckcellent(エックセレント/汎用トレーラ)」などユニークな製品名も特徴。
「ツインデッキ」はその名の通りツインデッキ(2階建ての荷台)を持つ特殊トレーラで、本国での製品名は「Eckstream(エックストリーム)」。ワイドシングルタイヤや独立懸架式サスペンションなど足回りの省スペース化で広大な荷室空間を確保しているのが最大の特徴となっている。
具体的には、長さ650×幅850×高さ1700mmのカゴ台車を上段55個、下段33個で合計88個まで積載可能。ちなみに単車の大型トラックに同じカゴ台車を積める数は39個なので、ツインデッキは2.26倍もの容量を実現している計算。単車の大型トラック5台分の積み荷を2台で運べるというのは驚きだ。
なお展示車両はドライバンボディ仕様の3軸車だったが、このほかにも断熱ボディ仕様や2軸車なども製作可能とのことだ。
単車の大型トラックより8個多い航空貨物コンテナを運搬可能な平野ロジスティクスの「+8」
いっぽう平野ロジスティクスが出品した「+8」は、航空貨物コンテナを単車の大型トラックより8個多く運搬可能な航空貨物コンテナ運搬用トレーラ。メーカーはもちろんファンエック・トレーラーズだ。
同社は1985年に幅96インチ(約2.44m)の航空貨物コンテナを運搬可能な大型トラック(現在96車と呼ばれているもの)を架装メーカーと共同開発した日本の航空貨物輸送のパイオニア的存在で、2012年よりトレーラの導入を開始。
同社のトレーラは単車の大型トラックに対して何個多く積めるかをそのまま車名にしているのが特徴で、これまでに4軸フルトラクタ+2軸フルトレーラの「+2」、2軸セミトラクタ+1軸セミトレーラの「+1」、2軸セミトレーラ+2軸セミトレーラの「+7」などを導入している。
2017年に運行を開始した「+8」は「+7」の改良版で、全長を約700mm伸ばして積載できるコンテナ個数を1個プラスしたもの。「+7」と同じツインデッキ構造の荷台には航空貨物コンテナを単車の大型トラックの6個より8個多い14個積載可能。
油圧開閉式のテールゲートからアクセスする荷台は電動式オートコンベアやエア駆動のストッパーなどハイテク機能が満載で、ドライバーの負担軽減にも寄与。「+7」や「+8」の広々スッキリな荷台の成立には、独自の低床化技術などを持つファンエック・トレーラーズのノウハウが不可欠という。
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