新車を購入する時に慎重になりたいのはオプション選びだ。しかし、憧れの新車を手に入れるときはテンションが上がり、つい「あれもこれも」と、衝動的に購入を決めてしまいがちだ。実際、後で冷静になってみて、「いらなかったんじゃ……」と後悔したなんてことを経験したことがある人も多いだろう。特に、ディーラーオプションはメーカーオプションより安価なものが多いため、ついつい衝動付けをしてしまいがち。そこで今回は、ディーラーオプションに着目し、よりお得に、損をしないためのオプション選びをのコツを伝授する！
文／関谷明日香、写真／写真AC
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強引な車両の値引き交渉を控え、ディーラーオプションにターゲットを絞る
クルマのオプションには、ディーラーオプションとメーカーオプションの２つがある。ディーラーオプションとメーカーオプションの大きな違いは、ディーラーオプションは納車時のことはもちろん、後から取り付けられるという点だ。いっぽうのメーカーオプションは、納車前に工場で取り付けるものなので、納車後の取り付けはできない。
ディーラーオプションはディーラーの裁量で価格を決めることができるので、比較的良心的な設定になっていることも多く、値引き幅も大きい。ということで、車両本体価格をこれ以上値引きができないという時に、かわりにディーラーオプションをサービス品として付けてくれることが多いのだ。
ディーラー側としても、車両本体価格の値引き額に不満を持っている顧客に、最後の一押しとしてディーラーオプションのサービスを提案することで、無事に契約までこぎつけることができる可能性が高くなるという旨味もある。
値引き額が期待する額を下回っていても「どうしてもこのクルマ以外に考えられない！」と思っている場合は、ディーラーオプションを引き合いに出して、オプションで足りない分を補填すべく交渉するのが賢い方法だ。車両本体価格の値引きは限界があるため無理なものは無理ということもある。そこであまりに強引な値引き交渉をしてしまうと、営業マンの心証を害し、値引きアップどころか、ディーラーオプションの値引きやサービスもロクにしてもらえないなんてこともあり得る。
ディーラーオプションはなぜそんなに値引きできるのか？
ディーラーオプションは、利益率が高く、オプションの種類にもよるが、９割が利益になるものもある。そのため、営業マンも利益率の高いディーラーオプションは大幅値引きをしてもあまり腹は痛まないのだ。また、長期在庫になってしまっているものもあり、それらを大幅値引きしたり、サービス品とすることもある。
「やはり、いつまでも古いモデルの在庫を抱えているわけにはいかないため、次世代モデルが出る前のタイミングはよりディーラーオプションを駆使して商談をすることが多いですね」（現役営業マン）
こういったことから、モデル末期のクルマのほうがディーラーオプションの値引きは大きくなり、サービス品を手に入れる確率も高くなると言える。
市販品より高くて損というのは本当か？
ディーラーオプションより市販品のほうが安いから、ディーラーオプションを付けるのは損というイメージを持っている人も多いだろう。しかし、例えばナビをカー用品店で購入するとしよう。ナビは本体を購入すればよいというものではない、その他にも必要な備品が多々あるし、メカに詳しい人ならまだしも、素人があれやこれや調べて準備しなくてはならない。考え方次第だが、この手間もひっくるめて考えると、決してディーラーオプションのナビが高いとは言えないだろう。さらに、アフターサービスも付いてくるのだから。
ディーラーオプションを選んだほうが良いものは？
■カーナビ
前述のように、取り付けの手間がかからないことは大きいが、市販品よりも保証期間が長いこともお薦めしたい理由だ。ちなみに、メーカーオプションの場合、車種専用設計なのでインパネまわりのデザインを崩すことがないというメリットはあるが、こちらはとにかく高額。ディーラーオプションの場合は、それよりも安価で、なおかつ値引きも期待できるというメリットがある。
また、地図の更新も期限や回数制限付きではあるが無料で行える。ディーラーオプションのカーナビなら、また後で違うナビに取り替えることも可能だ。
■ドライブレコーダー
気軽にDIYで取り付ける人も多いが、ドライブレコーダーの取り付け位置はどこに付けてもいいというわけではない。
実は、「道路運送車両の保安基準・第39条」により「ガラス開口部の実長の20%以内の範囲」か「車室内後写鏡により遮蔽される前面ガラスの範囲」と規定されている。フロントガラス上部から20%以内の場所、もしくはルームミラーの裏側ではないと違反になってしまうのだ。素人判断で装着してしまうと、知らぬ間に違反になってしまう可能性も……。何より、視界を遮る位置への取り付けは危険きわまりない。
「そんなことないでしょ」と思う人も多いようだが、実際、定期点検に出されたクルマを見ると、「これはちょっと……」と思われる危険な位置に取り付けているクルマがかなりあるという。こういったことから、ディーラーできちんと装着してもらうほうが安心だ。
また、社外品の場合はDIYしない場合は取り付け工賃が別途かかる。工賃は業者によってまちまちなのでしっかり比較検討しないと、本体は比較的安価であっても、トータルで見るとさほどお得ではなくなってしまうこともある。
■ETC
カーナビと同様、自分で探して後付けすると多少の費用削減にはつながるが、取り付けは面倒。さらにきれいに配線をするなどもかなり難しい。ディーラーオプションにしてしまえば、作業の面倒臭さだけではなく、車内の美観を損なわずに済む。
■カーナビ対応のバックカメラ
後付けも可能だが、取り付けの方法が少々問題となる。純正品のようにクルマの外にカメラがあれば良いが、市販品のカメラと車内にあるモニターをつなぐとなると、大がかりな作業となってしまう。ETC同様、見た目の問題も気になるところ。トータルで考えれば、決して高い買い物とは言えないはずだ。
人気のボディコーティングは微妙……
営業マンによって意見が分かれるのがボディコーティングだ。
「ディーラーではない業者にお願いをして、傷が付いたなどのトラブルにあったお客様の話をよく聞きます。ディーラーで行えば、そいういったトラブルはディーラーが対応するため、安心だと思います」
と、語る営業マンがいるいっぽう、
「正直、コーティングはかなり割高だと思います。アフターが気になるという方にはお薦めしますが、値引き額をトッププライオリティにする方であれば、外の業者さんに出していただくほうがいいんじゃないかと思っています」
と、語る営業マンもいる。つまり、アフター重視ならディーラーで、コスト重視なら別の業者で、というのがベストと言えるだろう。
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投稿 ハンコ押す前に読んで!! 衝動付けしがちなディーラーオプションは本当に得かを検証したぞ!!! は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。