JAFによると、2021年度のロードサービス救援件数のうち、ゴールデンウイーク(2021年4月29日~2021年5月6日の8日間)が4万6966件、お盆(2021年8月7日~2021年8月16日の10日間)が6万6675件、そして年末年始(2021年12月29日~2022年1月4日の7日間)が5万8406件、という結果だった。
一日平均では、年末年始がもっとも救援件数が多くなっている。いっぽう、出動理由(四輪)をみてみると、高速道路における出動理由でもっとも多い「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」では、年末年始が419件であったのに対し、お盆では809件。一日平均にしても、1.3倍多いことになる。一般道でも、同様の結果だった。
猛烈な暑さとなる夏は、人にとっても過酷だが、クルマにとっても過酷。夏に気を付けてほしい、クルマのメンテナンスと、おすすめカーケア用品をご紹介しよう。
文/吉川賢一
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カーメンテナンスの基本は、「タイヤ」「バッテリー」
JAFによると、夏のロードサービス出動理由で多いのは、冒頭で触れたタイヤ関連(パンク、バースト、エア圧不足など)のほか、バッテリーの過放電(劣化)だ。タイヤにしてもバッテリーにしても、日常点検をしておけば、ある程度防ぐことのできるトラブル。以下でそのポイントをご紹介しよう。
●夏はバッテリーを酷使している
エアコンを酷使する夏は、バッテリーのトラブルが多くなる。夏場はトラブルなく乗り切ったとしても、酷使されたバッテリーには確実に負荷がかかっており、冬になってトラブルが発生する、ということも。
バッテリーが上がってしまう原因は、ライト等の消し忘れによる過放電の他にも、破損や劣化が考えられる。一般的に、バッテリーの寿命は2~3年といわれているが、夜間走行が多い、近所の買い物だけ、週末にしか使わないなど、普段長距離を走らないクルマの場合、これよりも寿命が短くなることも。クルマの使い方によってバッテリーの劣化具合は違ってくるため、交換時期は目安でしかない。
そのため、事前にバッテリーからの劣化サインに気づくことが重要となる。エンジン始動時のセルモーターの回り方が弱くなった、もしくは遅くなった、ヘッドライトやランプなどがエンジン回転数によって明るさが違ってきた、パワーウィンドウの動きが遅い、アイドリングストップに入りにくくなった、など、バッテリーの劣化サインはどこかにでてくるはず。「あれ、いつもと違うな…」と少しでも感じたら、バッテリーの劣化を疑ってほしい。
●路面の熱でタイヤは劣化が進む
ゴムは熱に弱いことから、猛烈な暑さとなる夏は、タイヤの劣化が進んでしまう季節。路面からの熱のほか、走行時の摩擦熱によって劣化が加速してしまうのだ。
クルマのタイヤのパンクは、道に落ちていた釘やキャッツアイ(速度を出させないためや、車線外への逸脱を防ぐための道路鋲)を踏んだことによるものよりも、空気圧不足が原因で起こることのほうが多い。ここ10年ほどでセルフ式ガソリンスタンドが急増したことで、安く給油ができるようになった代わりに、空気圧不足を指摘される機会が減ってしまった。ただ、セルフ式スタンドでは、空気充填機を借りることができるはずなので、燃料補充のタイミングで、メーカーが指定する推奨空気圧になっているか、2カ月に一度は確認するようにしてほしい。
同時に、タイヤのトレッド面やサイドに傷や亀裂、摩耗が進んでいないかも確認するようにしたい。スリップサインまでの残り溝もチェックしておこう。
●ワイパーとエンジンオイルの確認も!!
また、夏は台風や夕立が多いことから、ワイパーのチェックも重要。ワイパーゴムが劣化していると、突然の雨の際に視界が確保できないという事態に陥ってしまう。昼間時間帯の多少の雨なら乗り切れても、豪雨だったり夜間の雨だったりすると、途端に状況が悪くなることも考えられる。
さらに夏の猛烈な暑さの下では、エンジンオイルの負担も大きくなる。ディーラーやカーメンテナンス店で、定期的にエンジンオイルを交換している方であれば問題ないが、1年も2年も放っておく方もなかにはいる。昔と比べてエンジンオイルの耐久性は伸びているが、当然、劣化は起こるため、こちらも定期的なチェックが必要だ。特にストップ&ゴーの多い市街地走行がメインの方は、たまにはエンジンルームを開いて、エンジンオイルの色や、オイルにじみ、ゴムのひび割れや樹脂部品の破損など、見るようにしてほしい。
エアコンや虫対策、日差し対策も!!
本格的な夏を迎えるまえに、早めに手に入れておきたいおススメカーケア用品をご紹介しよう。
●エアコンの洗浄剤や消臭剤
エアコンが、暖房から冷房へと切り変わるこの時期、冬の間は気にならなかったエアコン吹き出し口からの風の臭いが気になりだすことがある。匂いの元は、ファンの汚れやエバポレーター、ヒーターコアに付着したカビや菌など。臭いを消そうと衣類用ファブリーズを吹きかけたところで効果はなく、また、決して芳香剤でごまかそうとしてはいけない。
この場合は、カーエアコン専用のエバポレーター洗浄剤や、スチーム消臭剤がおススメだ。少しでもにおいが気になるようであれば、ぜひとも試してみてほしい。
●虫専用の除去スプレー、クリーナーシート
夏は虫が多い季節。高速道路や山のなかを走行していると、小さな虫がフロントバンパーやナンバープレート、フロントガラスに付着することがよくあるが、決してウォッシャー液とワイパーで拭ってはいけない。ガラス面に塗り広げることになってしまうためだ。
また、虫のなかには弱酸性の成分があり、ガラスやボディにダメージを与えかねない。弱アルカリ性の車専用虫除去クリーナーは、サッと吹くだけで簡単に虫の破片を除去できる。クリーナーシートのタイプもあるので、一つ常備しておくとよいだろう。
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●傘タイプのサンシェード
サンシェードといえば折り畳み式が一般的だが、折り畳んでも大きくかさばるので置き場に困ることも。傘タイプのサンシェードならば、畳んだ姿は折り畳み傘のサイズであり、助手席足元やドアポケットへ格納しておくことができる。
傘を開けば、フロントガラスの形状に近い長方形に広がるので、内側からフロントガラスへ立てかけることで装着完了。断熱効果も高いので、夏場でもハンドルが熱々にならない。軽自動車からミニバンまで、対応するラインアップも多く、2000円前後とたいへんリーズナブル。昨シーズン(2021年)、筆者が購入したカーグッズのなかでも、とても役立ったアイテムだ。
●即効性の水弾きスプレー
先ほども触れたように、夏は突然の雨に遭遇することが多くなる。日頃のメンテナンスでワイパーは万全であっても、フロントガラスに油膜が付着していると、ワイパーで拭ってもぎらついてなんか見えづらい…、という状況にも。そんな時の対策として、即効性のガラスクリーナーを常備していくと安心。
安全な場所でクルマを止め、フロントガラスへ直接スプレーして、ワイパーを動かせばOK。ワイパー動作は滑らかとなり、ぎらつきも軽減してくれる。ただし一時しのぎでしかないなので、後日しっかりとメンテナンスをするようにしてほしい。
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●ハンディクリーナー
こちらは、夏といわず1年中役に立つアイテムだが、車内に残ったほこりや、隙間に落ちた食べ物カスなどの掃除のため、ひとつあると便利。特に夏は、食べこぼした食品のカスや、靴から落ちた泥や砂、ホコリなどが臭いの元凶となりやすいため、長距離ドライブで、車内で飲食をした後などは、掃除をしっかりしたいところ。
ガソリンスタンドにある大型掃除機だと、細かい部分まで吸いきれない場合もある。併せてクリーニングシートもあると便利。クルマの座席には、知らず知らずのうちに人間の皮脂が染み込んでいる。隙間に詰まった汚れの掃除と共に、座席表面もクリーナーでさっと掃除をしておくと、きれいな車内を保つことができる。
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■まとめ
気象庁が発表した2022年6月~8月の暖候期予報によると、6月から8月の平均気温は、北日本、東日本、西日本で高い確率が50%、沖縄・奄美で平年並または高い確率ともに40%。どうやら2022年の夏もかなりの猛暑を覚悟しなければならないようだ。
暑い夏を乗り切るため、人間もクルマもいまから準備しておくことが大切。しっかり準備をして、夏も快適なカーライフを楽しんでほしい。
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投稿 猛暑が来る前にやるべき!! 夏のメンテナンス術&オススメカー用品 5選 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。