| 当時のポルシェはナナサンカレラがそこまで売れるとは、そして後にこれだけ価値が出るとは思わなかったに違いない |
さらには「RS」が後にこれだけ協力なブランドになるとは想像できなかっただろう
さて、ポルシェが911カレラRS 2.7の50周年を祝うコンテンツを公開。
ポルシェはここ最近「(先日発表された911スポーツクラシックとは別に)911カレラRS 2.7のオマージュモデル」と思われるプロトタイプをテストしており、そして今回こういったコンテンツを公開するということは「やはり911カレラRS 2.7のオマージュモデルが登場」すると考えてよいのかもしれません。
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ポルシェ911カレラRS 2.7はこんなクルマ
911カレラRS 2.7は1973年に登場しており、そのため日本では「ナナサンカレラ」として親しまれていますが、これは当時「最もパワフルな公道仕様の911」。
専用のフロントスプリッター、ワイドフェンダー、ダックテールスポイラーを装備し、さらにはボディパネルやウィンドウを薄く作っていたほか、遮音材や防音材も省かれて極限まで軽量化が図られており、完全に「公道を走るレーシングカー」といった仕様を持っています。
それもそのはず、911カレラRS 2.7は当時ポルシェがグループ4カテゴリのホモロゲーションモデルとして911S/2.4をベースに生産したもので、つまりはモータースポーツ参戦を前提に作られたモデルでもあるわけですね。
そして上述の通り軽量化、パワーアップに加えて足回りの強化という、現代のRSモデルにも通じる「スポーツカーの基本」を徹底したモデルでもあり、搭載されるエンジンは2.7リッターフラットシックス210馬力、トランスミッションは5速マニュアルのみ、そしてグレードは「ツーリング」「スポーツ」「レーシング」パッケージが存在します。
なお、「スポーツ(ライトウエイト)」パッケージを選んだ場合はリアシート、カーペット、アームレスト、時計さえもなかったといい、「ツーリング」パッケージだと115kgの重量増となったものの、日常的に乗れる範囲の快適性を備えていたようですね。
そしてもちろん「レーシング」パッケージだと文字通りレーシングカー同様のスペックを持っており、あまりにスパルタンだったせいか1525台が生産された911カレラRS 2.7のうちわずか17台しか生産されなかったのだそう(ツーリングパッケージが最も多く1308台が納車されている。競技用車はこれとは別に55台が生産された)。
参考までに、ホモロゲーションをクリアするには500台のみを販売すればよかったそうですが、フタを開けてみると1500台超が販売されており、いかに「もっとスポーティーな」ポルシェを欲しがっている人が多かったかがわかります。
ちなみに当時、そしてその後間もない世代のRSモデルは「一般向けの車両から装備を簡略化したため」ベースモデルより安くなる例もあったようですが、現代の「RSモデル」ではベースモデルから大きく価格が上昇しており、これはつまり(商業的な理由もあるにせよ)かつてのRSモデルのように「軽量化」「パワーアップ」「足回りを固める」だけではなく、様々な部分が強化されていることを意味するのでしょうね。
実際のところ、ポルシェ911カレラRS 2.7は速かった
参考までに、当時ドイツの雑誌「Auto, Motor und Sport」がカレラRS 2.7「スポーツパッケージ」をテストしたところ、時速時速100kmには5.8秒で到達したという記録が残り(ツーリングパッケージだと6.3秒)、同誌がテストした中では6.0秒未満で到達した最初の市販車となっています。
さらに911カレラRS 2.7は「リアスポイラーを装備した最初の量産ポルシェ」であると同時に、ポルシェが(レーシングチームではなく)一般の消費者に販売するモデルにてはじめて「前後で異なるサイズのタイヤを装着した」クルマだといい、あらゆる面でエポックメイキングな存在だったと言えそうです(フロントには185/70、リヤには215/60という15インチサイズのタイヤが装着されていた)。
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