| ただしテスラの優位性がどこまで続くのかはわからない |
テスラが「売れる」のは生産設備や充電設備への先行投資の影響が大きいとされている
ケリー・ブルー・ブック(KBB)によると、米国では2022年第1四半期に2021年第1四半期比で約2倍のEVが販売されて急激にEVの販売が加速しており、この四半期に米国で販売された自動車のうち、EVは初めて5%を超える割合を占めた、とのこと。
ただ、ここで驚くべきは同時期に販売されたEVのうちの75%がテスラであったことで、さらに言えば68%がモデルYとモデル3だったもよう。※3位にはフォード・マスタング・マッハE
「それでも、テスラのルームミラーに映る景色は混雑している」
しかしながらケリー・ブルー・ブックはEV市場の競争が激しくなってきたことに触れ、その表現を借りるならば「テスラのルームミラーに映る景色は混雑している」。
これは数年前には存在しなかった「多数の魅力的なEV」が存在することを示しており、実際のところ2021年第1四半期には18種しかなかったEVが、2022年の第1四半期には32車種にまで増加している、とも指摘しています(2022年末までには50車種にまで膨れ上がるらしい)。
ケリー・ブルーブックは、テスラのリードがその大きな先行投資に関係していることを示しており、つまりギガファクトリーのような生産設備、さらにはスーパーチャージャーといった自前の充電設備もそういった投資のひとつ。
テスラ以外の(EVを発売している)自動車メーカーにとって皮肉な現実は「自社の電気自動車の宣伝を行えば行うほどテスラのクルマが売れる」ということですが、どういうことかというと、多くの自動車メーカーがEVの宣伝を行うと消費者が「EVを買おう」と思うようになり、しかしスペックを比較したり、納期を比較したりすると「やっぱりテスラが一番」となってしまうようですね。
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他社が電気自動車メーカーの宣伝を行えば行うほどテスラの注文が増加するという事実。いったいなぜこんなことになったのか?
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上述の通り、現在多くのEVが発売されているものの、テスラ以外だとそのほとんどが「受注出来ない(受注停止済み)」ものだったり「発売前」であったりするようで、なんだかんだで購入できなかったりする模様。
ただしテスラにも懸念はある
そこで「EVを買おうという欲求に火がついてしまった」人はその火を消し止めることが出来ず、ついつい(注文を入れ、待てば買える)テスラに走ってしまうということになりそうですが、テスラはテスラで「頻繁に値上げをする」などの実情があり、現在は連邦政府のEV税額控除の対象から外れるといったデメリットも。
そしてテスラがサイバートラックの発売をできずにいる間、リビアンはR1Tを、GMCはハマーEVを、そしてフォードはF-150ライトニングを投入し、これまでは常にテスラが先行してきた市場にはじめて「先に切り込む」ことにもなるわけですね。
ただしこれらも実際に市場に出てオーナーの評価を受けねば今後どうなるのかは一切予測がつかず、中には最初だけ売れて後には全く売れなくなり、終いには中古市場で大きく値崩れしたりといったモデルが出てくる可能性もあって、予断を許さないといった状況です。
実際にEV市場がレッドオーシャンになりつつあるのは事実かもしれませんが、それは「テスラ以降」の順位を争うという話であり、やはり(当面の間の)EV市場は「テスラと、テスラ以外」とに分かれるのかもしれません。
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参照:Kelley Blue Book
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