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日野自動車が決算説明会を実施

前期営業増益も赤字847億円

今年度業績見通し発表できず

 

 

本日、日野自動車の2022年度決算が発表された不正に絡んで質問が集中した。なお、業績関連数値は添付の資料をご覧ください。

以下は質疑の要旨。

Q 型式指定再申請の時期は?

A 過去に例のない重大な事案。時期については言及を避けたい。

Q サプライヤー、ディーラーへの補償は?

A 資金面も含めて対応する。困りごとを吸い上げて寄り添ってやっていきたい。

Q 下会長の退任は「引責」ではないのか

A 引責ではない。「株主の理解が得られない」との本人の申し出による。経営に関する責任については、外部有識者による特別調査委員会の結果が出てから。結論が出る時期については客観的に調べてもらっているので分からない。

Q 下会長の後任人事について

A 定時株主総会後の案では、会長ポストはなく取締役は1名減員の8名。調査委の調査結果をベースに考える。起こした問題にしっかりと向き合っていく。

Q 認証改善対策とは?

A 様々な事象が含まれている。燃料流量計のデータを書き換えていた。今後はしっかりログが残るようにし、認証本部でデータを確実に管理し、容易に改ざんできないようにする。

Q 業績見通しを出せなかったのは過去にあるのか

Aコロナ禍の2020年度に出せなかった。当時は1Qの決算発表時に見通しを発表した。販売会社とともに一人ひとりのお客様に丁寧に向き合っていく。成長も大切だが、決められたルールを守ることを徹底する。

Q 調査委の結果が業績に与える影響は?

A メーカーとしての調査と再発防止を徹底する。調査委には徹底して調べていただき、真摯に向き合いたい。前年度は過去最悪の決算となった。業績への影響は軽々には言えない。調査委の結果に関係なく、メーカーとしてきっちりやるべきことは進めていく。

Q 社員の賃金については?

A つどつど、決算の状況を見ながら判断している。

Q 物流業者は製品出荷再開を待っている。どんな案内をしているのか。

A マーケットシェアについては、お客様の銘柄選びの結果。当社が製品を供給できない中で、結果として他銘柄に乗り換えることは甘んじてそのようにお願いするしかない。シェアの変化は自分で巻いた結果。再開後に次のチャンスをもらえるかどうかになる。47人のスタッフを全国の販売店に派遣して、お客様にお詫びしている。

特損の400億円については、今後、状況が変化したら開示する。特損は今後発生するものをある程度織り込んでいる。

Q 日野コネクトの活用が遅れるのではないか。

A 物流関係者には大変なご迷惑をおかけしている。半導体不足に対する代替案はないのか、部品メーカーとも協議している。

Q トヨタは日野のガバナンスに無関心ではなかったのか(神領の質問)。

A トヨタは日野の親会社。まずは日野が一義的にやっていかなければならないこと。説明がまだまだ至らないところがある。「トヨタが主語」の質問には回答はできないが、日野側に問題があった。調査委の結果を踏まえて明確にしていきたい。

 

取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)

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