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Intelの第12世代Alder LakeおよびAMDのRyzen 7000(Raphael)プロセッサでサポートされる事が明らかになり、最大16GB/sという驚異的なストレージパフォーマンスを提供するPCI Express 5.0(以下PCIe 5.0)対応のSSDがいよいよ登場するが、NVMe SSDは、今までの製品よりも大きなM.2スロットが必要となる可能性がある。

M.2 SSDにはさまざまなサイズが存在するが、コンシューマ市場では、2280フォームファクターを目にすることが多いだろう。この数字の最初の2桁はカードの幅を示し、残りの部分は長さを表しており、したがって、M.2 2280ドライブのサイズは22x80mmと言うわけだが、これは、コンシューマ向けシステムで見られる最も一般的なM.2フォームファクタとなっている。
M.2規格には、幅が12 mm、16 mm、22 mm、または30mmの物が規定されており、長さは16mm、26mm、30mm、42mm、60mm、80mm、110mmが規格として定められている。主流のM.2 SSDは通常80mmのことが多く、企業またはサーバー市場以外では、幅30mmまたは長さ110mmと言った、規格上最大サイズのドライブを見ることはないだろう。だが、多くのハイエンドコンシューマ用マザーボードには、最大長110 mm(22110)のドライブに対応できるM.2スロットが少なくとも1つ設定されている。

TwitterユーザーのHassan Mujtaba氏が、GigabyteのX670 Aorus Pro AX、X670 Aorus Master、X670 Aorus Xtreme、X670 Aero Dマザーボードの仕様とされる情報を公開しているが、それによるとM.2スロットの仕様の所に、”M.2サーマルガードIII:25110 M.2 Gen5 SSDのパフォーマンスと安定性を確保する” と書かれている。

これは、一部のPCIe 5.0ドライブは25mm幅になり、既存の20mm幅のスロットにはフィットしない可能性があることを示唆している。ただし、高価なPCIe 5.0ドライブを購入する層は、わざわざ古いマザーボードを使ってパフォーマンスを損なうことはないと思うので、その際は新たにハイエンドマザーボードも購入するだろうから、サイズ変更に関してはあまり問題にはならないだろう。

すべてのPCIe 5.0 SSDが25110フォーム・ファクタに準拠する訳ではないだろう。Gigabyteの場合、メーカーはおそらく、今後を見据えてX670マザーボードを25110ドライブに対応させたいと考えたのではないだろうか。ちなみに、従来の2280 SSDは、より幅が広いM.2スロットに問題なく装着できる。PCIe 5.0をサポートするIntel 600シリーズ・マザーボードは、M.2 2280および22110スロットのみを搭載して数カ月前から出荷されている事からも、2280サイズのドライブが出る可能性もありそうだ。

ApacerとZadakは、それぞれ最大13,000MBpsと12,000MBpsという素晴らしいシーケンシャルリードとライト速度を持つPCIe 5.0 SSDをすでに発表している。残念ながら、ベンダーは、それらのサイズが標準的な22mm幅のドライブに適合するかは明らかにしていない。今後、どのブランドが25mm幅の流行に乗るのか、また、実際に幅が広がることで何らかの利点がもたらされるのか、興味深いところだ。