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朝日新聞は27日付の朝刊で、「韓国新政権 首相訪韓で関係改善を」と題した社説を掲載し、岸田首相に対し、韓国の新大統領の就任式に出席すべきとの主張を展開した。

岸田首相と尹次期大統領(官邸サイト、尹氏Facebook)

5月10日に大統領に就任する尹錫悦氏は政権発足に先立ち日本側との政策協議をする代表団を派遣、24日に来日した。日本国内の保守層が「岸田首相は代表団に会うべきではない」と反発する中で、岸田首相や林外相らが面会に応じた。NHKによると、岸田首相は尹氏からの信書を受け取るとともに、代表団に対しては「ルールに基づく国際秩序が脅かされている現下の国際情勢において、日韓、日米韓3か国の戦略的な連携がこれほど必要な時はなく、日韓関係の改善は待ったなしだ」と述べたという。

朝日は前日の代表団と首相の会談を受け、翌朝の新聞で社説を掲載。その冒頭から「長く冷え切ったままの韓国との関係を正常な軌道に戻さねばならない」と切り出し、大統領就任式がその「好機」との見方を示した。小泉純一郎氏や福田康夫氏らも首相時代に行われた新大統領の就任式にそれぞれ出席していた事例を引き合いに、「課題が山積するからこそ自然に初顔合わせできる機会を逃さず、対話を起動させてほしい」と岸田首相に要求した。

また、韓国側に対しても、徴用工訴訟で敗訴した日本企業の資産が現金化される懸念について、「尹氏はまず、現金化は望ましくないとの考えを鮮明にし、外交的解決を図るのだという意欲を明示してもらいたい」と要望した。

韓国は、聯合ニュースが早速反応。この日午前9時前には「日本の有力新聞が岸田文雄首相の尹錫悦大統領の就任式参加を主張した」とする記事を配信し、社説のあらすじを伝えるというスピーディーな反応だった。聯合ニュースのサイト読者の関心を集め、午後3時現在、アクセスランキングでトップになっている。