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北海道・知床半島沖で23日、観光船が遭難し、乗員・乗客合わせて26人のうち、11人が死亡、15人が行方不明になっている事故を受け、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が27日夕方、北海道斜里町のホテルで事故後初めて記者会見に応じた。

会社側はこれに先立ち、乗客の家族への説明会を開催。1時間の予定が大幅に伸び、記者会見も開始時刻の15時半から80分以上遅れて始まった。桂田社長は会見の冒頭、「このたびはお騒がせしまして大変申し訳ございました」とお詫び。報道陣の前で土下座をしてから着座し、事故に至るまでの経緯などの説明に入った。

SAKISIRU編集部は、AI録音文字起こしのアプリサービスを使い、記者会見でのコメント文字起こしを実施。誤字や不自然な箇所は修正の上、速報で全文をお届けする。桂田氏の冒頭発言は以下の通り。

「知床遊覧船」桂田社長の記者会見はテレビ各局が報道。高い関心を示した=27日午後、編集部撮影

みなさん。この度はお騒がせしまして、大変申し訳ございませんでした。(土下座)

(着座して)この度は、当社の船舶のクルーズの中で大変な事故を起こしてしまい、亡くなられた被害者の方々、及び捜索中の被害者の方々に対して大変申し訳ございませんでした。亡くなられた被害者の方々のご家族、捜索中の被害者の方々のご家族に対して大変なご負担をかけております。申し訳ございませんでした。

現在捜索中の被害者の方々が1日も早く見つかることを心からお祈りするとともに、当社としては捜索中の被害者の方々の捜索するためにできるうる限りを尽くしていく所在でございます。また、当社として今後、被害者の方々のお気持ちを第一に考えて対処するとともに、事故の原因究明に向けての協力を全力で行っていく所在でございます。この度は大変申し訳ございませんでした。(再び離席して土下座)

(再び着座)
本日は当社の方で把握している事実を時系列で説明するとともに、その後皆様方のご質問にお答えする形で進めさせていただきたいと思います。それではお手持ちの資料で時系列に書いてあるものがありますので、詳しく見てください。

まず本件事故発生前の経過についてご説明します。
2021年、(遭難した)「KAZU1」の船首を海上浮遊物と接触させた事故が起こりました。
この時、船舶を運航していた船長は、今回の豊田氏ではございません。

6月、「KAZU1」が船尾を暗礁に擦る座礁事故を起こしました。この際、船舶を運航していたのは船長の豊田氏でありました。同乗し、操船していた従業員もございました。

7月、事故を受けて、「KAZU1」は造船会社に修理を出しました。お手持ちの資料の写真を添付してあります。(写真を提示しながら)こちらが事故前に事故で傷ついたところですね、白くなっております。そして終了後になります。船尾ですね。船尾のところ、あのお尻の部分を吸ったという形です。

こちらもこれ、造船上の方ですが、丁寧に直していただきました。
これが7月7日に行われて、修理後、JCI(日本小型船舶検査機構)の検査を受け合格いたしました。残念ながら書類等は「KAZU1」の船中です。その後、北海道運輸局から当社に対して上記2つの事故に関する行政指導が行われ、当社から北海道運輸局には改善報告を提出いたしました。

続いて2022年です。1月から来シーズンに向けて「KAZU1」を陸に上げ、造船所の方に船の整備の依頼をしております。
4月15日、「KAZU1」の整備を完了し港に降ろしました。その後、数回テスト走行いたしました。

4月20日、日本小型船舶検査機構の中間検査の追加検査を受け合格。
これも残念ながら「KAZU1」の船中にございました。

4月21日、「KAZU1」が他の運航会社3社とともに事故を想定した救助活動を行っています。
また、海上保安庁の定期的な安全点検が行われ、「KAZU1」の救命動員、船体の検査、その時に船体に対して指摘はございませんでした。

4月22日、「KAZU1」で豊田船長が他の運航会社の方とともに会場の浮遊物を確認するために安全確認運行を行っております。
これは本事故日の23日と全く同じコースでございます。23日を走るための安全確認を行っております。

本件事故発生日の経過。
4月23日午前8時、私は豊田氏と当時のクルーズの打ち合わせをしております。

豊田氏から「午後の天気が荒れる可能性があるが、明日10時からのクルーズは出港可能」と報告がありました。
この時点でウトロでは風と波も強くなかったので、海が荒れるようであれば引き返す条件付き運行ということを豊田氏と打ち合わせ、当時の出航を決定いたしました。

午前8時30分、他社の船長から、当社の無線のアンテナが故障、屋根から外れているとの報告があり、すぐに私は9時10分ぐらいに業者に修理を依頼いたしました。当社の無線の保証(故障?)は、携帯電話や隣、3軒並んでおる他の運行会社の無線でやり取りも可能であるため、出向を停止する判断はその時いたしませんでした。

午前10時、「KAZU1」ウトロ港を出港。午後1時13分、「KAZU1」他の運行会社に無線連絡、今カシュイの滝にということと戻るのが少し遅れるというここで連絡です。

その後は午後1時18分、「KAZU1」、他の運行会社に無線連絡。「選手が浸水している」
救助を求める連絡です。他の運行会社は、海上保安庁にこの時、救助要請をかけてくれています。その後は海上保安庁と「KAZU1」の無線でやり取りを行っております。

午後4時半、海上保安庁航空機などが現場に到着し、救助活動を開始したと聞いております。
私が今のところ把握している事実はこちらになりました。

(以下、質疑応答)