凶悪な殺人犯にはどんな刑罰を与えるべきなのか。慶應義塾大学の前野隆司教授は「人は死んだらなにも残らない。ならば、加害者を許し、罪を償わせるべきだ。報復手段としての死刑は、社会の平和につながらない」という――。 ※本稿は、前野隆司『ディストピア禍の新・幸福論』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。 ■存続、廃止について答えが出ない死刑制度 誰もが最後は死ぬのなら、いま生きている期間は、いず…