Intel Celeron N3050 は 2015年以降に発売されたノートPCに使われているCPUです。
2022年3月時点において、Amazonで販売されている3~4万円のノートPCで採用されています。
このCeleron N3050 搭載ノートPCは買いなのか、それとも避けるべきなのか、興味のある方は是非ご一読下さい。
Intel Celeron N3050 とは
Celeron N3050 は2015年の第一四半期に発売された省電力CPUであり、Core-iシリーズが第4世代から第5世代に移り変わろうという時期に登場しています。
CPUのプロセスルールは第5世代と同じく14nm が採用されており、グラフィックも同様に「Intel HD Graphics 400」が採用されています。
Celeron N3050 の基本スペックは次の通りです。
CPU | コア数:2 スレッド数:2 |
基本クロック | 1.6GHz~2.16GHz |
グラフィック | Intel HD Graphics 400 |
TDP | 6W |
Celeron N3050 は 初代 Core-i3 の6割程度
ベンチマークテストで計測したスコアで比較すると、Celeron N3050 の CPU性能は初代Core-i3 の6割程度の性能しかなく、グラフィック性能も初代Core-i3より劣っています。
今時のCPUと比べると性能はかなり低く、一般的な事務作業程度であれば、まあまあ使えるといった程度です。
- ワード、エクセル、パワーポイントなどの文書作成
- メールの送受信
- ウェブサイトの閲覧
- 人事や会計ソフトなどの事務処理アプリの利用
- PythonやRuby,PHP、C#やJavaなどのプログラミングの学習
- 趣味や仕事で使うちょっとしたプログラムの開発
以下の作業はちょっと厳しいかもしれません。
- Zoomによるテレビ会議
- 十数分程度のフルハイビジョン画質の簡単な動画編集(カット、結合など)
- デジタル一眼レフカメラで撮影した生データの現像
- フォトレタッチ
ただし、PCのの性能はCPUより、メモリ容量や内蔵ストレージの速度に大きく左右されます。
このPCを搭載しているノートPCの中には、ハードディスクを搭載しているもの、32GB eMMC を搭載しているものなどがあるため、購入の際はCPU以外の部分にも注意して下さい。
このCPUが搭載されているノートPCの傾向
2022年3月において、Celeron N3050 が搭載されているノートPCはAmazonで数機種ほど掲載されていました。
補足 項目 | スペック | 補足 |
---|---|---|
画面サイズ | 11.6~14インチ | 9割以上の製品が 11.6 インチ液晶を搭載 |
解像度 | WXGA(1366×768) | |
重量 | 1.15kg~1.3kg | |
メモリ | 2GB~4GB | |
ストレージ | eMMC 32GB~64GB 又はHDD 500GB |
9割以上の製品がeMMCを採用 |
DVDドライブ | 搭載無し | |
Office | 搭載無し、又は互換Office搭載 | 評価用Microsoft Office が搭載されている場合あり |
OS | Windows10 Home 又は Chrome OS |
|
駆動時間 | 8時間~15時間 | |
価格 | 3万円台~4万円台 | 9割以上の製品は3万円~4万円の価格帯 |
上記のことから、Celeron N3050 は、持ち運びを前提としており、文書作成をメインとするライトユーザー向けの格安ノートPCに多く採用されているようです。
スペック的にはタブレットを思わせますが、ほとんどの製品はキーボードが取り外せたりタッチパネルが採用されているわけではありません。
OSもWindowsではなくChrome OS が搭載されている製品もあるため、購入する際はメモリ容量、ストレージ容量、OSをご確認下さい。
ベンチマークで性能を比較
結論を先に描きましたが、ここからはその理由について簡単に説明しておきます。
下記の表は、Celeron N3050 のベンチーマーク性能(CPU:PassMark、GPU:FireStrike) を、Core-i3の世代別と比較したものになります。
CPU名称 | PassMark | GPU | FireStrike | コア数 | スレッド数 | TDP | 定格クロック | 最大クロック |
Core i3 6100U | 2628 | Intel HD Graphics 520 | 707 | 2 | 4 | 15W | 2.3GHz | – |
Core i3 5010U | 2157 | Intel HD Graphics 5500 | 594 | 2 | 4 | 15W | 2.1GHz | – |
Core i3 4025U | 1930 | Intel HD Graphics 4400 | 492 | 2 | 4 | 15W | 1.9GHz | – |
Core i3 3227U | 1295 | Intel HD Graphics 4000 | 411 | 2 | 4 | 17W | 1.9GHz | – |
Core i3 2350M | 1228 | Intel HD Graphics 3000 | 198 | 2 | 4 | 35W | 2.3GHz | – |
Core i3 330M | 944 | 旧世代Intel HD Graphics | 不明 | 2 | 4 | 35W | 2.13GHz | – |
Celeron N3050 | 600 | Intel HD Graphics 400 | 149 | 2 | 2 | 6W | 1.6GHz | 2.16GHz |
N3050 は2015年に発売されたCPUであり、2010年に登場した初代Core-i3の5年後に登場していますが、性能は初代 Core-i3 の6割程度しかありません。
エクセルやワードなどのオフィス製品、ネットサーフィン、YouTube、NetFlixなどの動画鑑賞程度であれば何とか使える性能です。
グラフィック性能も低めなので、軽い3Dゲームであってもプレイすることは困難です。
素直に事務作業用として諦めましょう。
まとめ
今回は Celeron N3050 の性能について、ネットで公表されているベンチーマークをもとに Core-i3の世代と比較し、どの世代に相当するかを検証してみました。
価格COMやAmazonで流通している、おおむね3万~4万円の価格帯の格安ノートPCに採用されています。
小型軽量のサブ機をお探しの方にとっては選択肢には成りますが、これをメインで使う場合はストレージがあまりに小さすぎるため、アプリを2~3個入れるとストレージの余裕が無くなります。
メインで利用することを考えるなら、もう少し予算を増やして別の製品を購入することをお勧めします。
この記事が、皆さんのPC購入の参考になれば幸いです。