世界には驚くほどゆる~い交通法規や、逆に厳しすぎる交通法規があったり、信じられないような交通ルール&マナーが存在する。今回は、世界のちょっと驚くような交通法規やマナーを紹介していこう。特に今後、海外で運転する機会があるかもという人は知っておくと身の安全を確保!? できるかもしれない。
文/藤原鉄二、写真/写真AC
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路駐はぶつけて脱出が常識!?
フランスのパリの裏路地などでよく見られるのが信じられないような密着状態で路駐をしている光景。どう考えても出られないだろう……と思いきや、クルマを前進、後退させてバンバンと前後のクルマにぶつけて少しずつ移動させてスペースを作って脱出!!
日本でこんな光景を目にしたら通報ものだが、パリではドライバーは平気な顔どころか、道を歩く人たちもまったく意に介していない模様……。
実際に地元の人に聞くと、「こうしなくては出られないから仕方がない。そもそもバンパーってぶつけるためのものだから問題ないよね」との回答。
たしかにバンパーは、衝突時の衝撃緩和のためのものなので、ある意味、間違った考え方ではないのかもしれないが……。
暗黙の了解で駐車場が決まっている
台湾の台北などの都心部のマンション密集地域では、夜になると路肩はほぼ満車状態。この駐車位置、実は、周辺マンションの住民たちの暗黙の了解で決まっているらしい。もちろんただの路駐なのだが、「ここら辺は〇〇さんのクルマの駐車位置」とみんなが知っている。
ということで、自分が帰宅した時に指定の!? 駐車位置に知らないクルマが停められたりしていると大激怒状態に……。日本でも田舎ではひと昔前までは同じようなことはあったようだが、今はクルマを購入する際には車庫証明が必要なので、れっきとした道交法違反になってしまう。
ただし、本来は台湾も指定の場所以外の路駐は駐車違反でレッカー移動などもされるのだが、居住地域の一部はいまだこのような不思議な暗黙の了解の道路もあるようだ。実際に駐車している住民に話を聞いたところ、一度も警察から警告を受けたことはないし、レッカー移動されたこともないとのことだ。
アウトバーンだって全部が速度制限なしじゃない!?
「アウトバーン=速度制限がない道路」と思う人は多いかもしれないが、これは勘違い。都市部に近い区間では、130km/hに制限されているのだ。ということで、飛ばしまくっていいのは、「無制限(制限解除)」の標識が表示されている区間だけ。それ以外の区間はしっかりオービスも設置されている。
アメリカで警察に停められたら両手をハンドルの上に!
アメリカで警察に運転中に停止させられたら、絶対に両手を警官の見えるハンドルの上に置く。手を動かしたら絶対にダメ!
間違ってもダッシュボードやカバン、ポケットなどに手を入れたりしないようにしよう。その瞬間に銃で撃とうとしているかもと思われて撃たれる危険大! ドアを開けて外に出るなんてもってのほか。とにかく両手はフリーで、抵抗する意思なしということを見せなくてはならない。とにかくパトカーに停められたらハンズアップをするのみと覚えておこう。
ちなみに、強盗に遭った時も同じだ。銃社会の国ではハンズアップが常識ということは知っておこう。
ハワイではクラクションは敵対行為!?
最近ではかなり減ってきたものの、何かというとクラクションを鳴らすという人はいまだ存在する。しかし、、クラクションを鳴らす行為は交通マナー違反で、クラクション大好き人間はアブない目に遭う危険性大。
もちろん、クラクションを鳴らすこと自体は違法ではないが、「ものすごい危険!!」という、特殊なシチュエーション以外に使用することは敵対行為と見なされてしまう。中指を立てているようなものなのだ。
ということで、道を譲ってもらったときにお礼の気持ちで「プッ」なんてことは絶対にやらないように! 日本人に大人気のハワイだけに、今後、レンタカーで運転をするという機会があるという人も多いはず。そんな時には、日本を運転している感覚でクラクションを使うのは絶対に避けよう。
ドライブレコーダーが違法な国も
ポルトガル、ルクセンブルグ、オーストリアはドライブレコーダーの搭載は違法で、違反者には罰金刑が科せられる。ただし、ヨーロッパはプライバシー保護の観点から、画像の公開に関しては制限がかけられている国が多い。
また、フランスとベルギーは合法ではあるものの、WEBなどに個人的にアップロードすることは禁じられていて、事故の証拠などの場合には警察に提出することになる。基本的には、日本のように、個人的にニュースに画像を提供したりすることはできない。
アメリカは自賠責なしなので要注意
保険大国のアメリカにもかかわらず、自賠責のような強制的に入らなくてはならない保険は存在しない。そのため、無保険ドライバーはものすごく多いというのが実態だ。ということで、万一、事故に遭った場合には泣き寝入りしなくてはらないケースも……。
自賠責のような強制加入の保険がある国もあるが、恐ろしいほど保障額が低いことが多い。また、自賠責のような制度はあっても、任意の自動車保険に入っていない人が多い国も多い。
こういったことから、海外で運転する場合には、保障がしっかりした自動車保険に入ることは必須だ。また、歩行者として被害に遭っても同様のため、海外旅行保険は絶対に入っておくことが必要だ。
スマホ使用検知器を導入する国も
運転中のスマホの操作を禁止する国は多い。なかでも厳しいのはオーストラリアで、日本のように警察官に発見されてアウトという現行犯式ではなく、使用検知器によって使用が感知されれば御用!
フランスは手に持っての操作や会話がアウトというのは日本と同じだが、エンジンをかけたまま停止している車内でも走行中とみなされるためアウトと、こちろもかなり厳しい。
イギリスでは現在も違反者には罰金と違反点数が科せられるが、2022年からさらなる厳しい規制がかけられることが予定されている。今までは通話や文字送信をしていたわけではなく、写真や動画を撮っていただけという言い訳がまかり通っていたのだが、これをNGにするという規制だ。また、将来的にはハンズフリーでの通話も規制対象することも検討されているという。
バス停でなくても乗り降り自由!? ~番外編~
ロンドンの2階建てバスは少し前までは乗降口がドアなしのオープン(剥き出し)状態の旧型がけっこう走っていた。そのタイプのバスの場合、信号で止まっている時は基本、乗り降り自由(ただし、本来はダメ)のやりたい放題だった。バス停に達していなくても、自分が便利と思うところにバスが信号などて停止したり、減速した時を見計らって飛び降りるなんてことは日時用茶飯事だった。
車掌は乗車券のチェックは厳しいが、そういった危険行為はスルーであることが多かったのだ。
しかし、旧型のバスは徐々に姿を消し、今では日本と同様のドアが開かなくては乗り降りができないバスとなってしまっている。
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投稿 ゆるすぎ? 厳しすぎ?? 日本の常識は世界の非常識!! 海外の仰天マナーと交通法規 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。