NVIDIAではゲーミング用GPUであるGeForceがマイニングなどに利用できないようにマイニング性能を制限するLite Hash Rate(LHR)を搭載したGeForce RTX 3000シリーズに搭載していましたが、2022年5月頃にこれらの機能を無効化する方法が発見されました。これでマイニングし放題となると見られていましたが、NVIDIAは最新のグラフィックドライバーを入れると再びLHRが有効化されるように変更を加えたようです。
NiceHashによって破られたLHR
NVIDIA’s latest graphics driver re-enables Lite Hash Rate (but not permanently) – VideoCardz.com
NVIDIAでは2021年頃から本格化したEthereumマイニングブームでゲーミング用GPUであるGeForceシリーズがマイニングなどで利用される事を防ぐためにLite Hash Rate(LHR)と呼ばれるEthereumマイニングをGPU側が検知した場合GPU性能を約50%程度に制限する機能をRTX 3090を除く、すべてのGeForce RTX 3000シリーズに2021年6月頃から投入しています。
このLHRについて、初投入がされてから約1年が経とうとした2022年5月頃、マイニングソフトであるNiceHashの開発チームがLHRの無効化に成功、NiceHash QuickMiner(Excavator)を利用する事でLHRが搭載されたGeForce RTX 3000シリーズでも本来の性能でマイニングをする事が可能となりました。
NVIDIAではゲーミング用GPUであるGeForceがマイニングなどに利用できないようにマイニング性能を制限するLit…
そんな、無効化されたLHRですがNVIDIAは早速、打てる手は打ったようです。
最新のGeForce 512.95ドライバー導入でLHRが再び有効化
NVIDIAでは2022年5月24日にグラフィックドライバー『512.95』をリリースしました。この512.95のパッチノートには不具合修正の他、HITMAN 3のレイトレーシング対応やNVIDIA DLSS対応への最適化の他、Sniper Elite 5、My Time at Sandrockなどのタイトルに対する最適化が盛り込まれた内容となっています。
ただ、この『512.95』ドライバーですが、NVIDIAのパッチノートに一切記載されていない変更が盛り込まれており、それがLHRの有効化についてです。
このドライバーを導入した状態で、LHR無効化が可能なNiceHash QuickMiner(Excavator)を利用しても、LHRが有効化された状態となるようで、GeForce RTX 3060での検証では1個前のドライバーである512.77導入状態ではハッシュレートが最大46.14MH/sを記録していたところを最新ドライバーである512.95を導入した状態ではハッシュレートが最大25.15MH/sとマイニング性能が半分程度に押さえつけられた状態になるとの事です。
旧ドライバーを入れればLHR回避が可能な模様・・・
この512.95ドライバーで有効化されたLHRですが、回避策が早速発見されているようです。
その回避策は単純に512.95より前のドライバーへダウングレードをする事だけのようです。
そのため、マイニングのみにグラフィックスカードを使うようなユーザーに対しては効果はほとんど無く、影響を受けるのはゲームをしつつ、空いた時間にマイニングをするというカジュアルマイナーとなっています。このようなユーザーはゲームを最新ドライバーで遊ぶか、マイニングを取るかを選ぶ必要はありそうです。
LHRが無効化された際に、NVIDIAがグラフィックスカードを売るために仕組んだという憶測が出ていましたが、今回ドライバーでしっかりと対策をしている辺り、そのような事は全くないようです。
このLHRが無効化されたタイミングは、既にEthereumマイニングブームが終焉していた事もあり、一般ユーザーに与えた影響については限定的と見られています。ただ、Ethereumマイニングについてはブームがどのような形で起きるかは予測がしづらく、NVIDIAとしては今後も継続してLHRが無効化されればドライバーレベルで再度有効化する措置を取ると見られています。
こういうのって、いたちごっこになるのですがNVIDIAはやる気のようですね。
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