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伊東祐清[すけきよ]の話では、千鶴[せんつる]丸は腰に大きな石をくくり付けられ、簀巻[すま]きの状態で生きたまま、松川の上流の滝壺[つぼ]に投げ込まれたという。 (どれほど苦しかったか。せめて、苦しまぬよう逝かせてやる慈悲すらなかったのか) ぐっと、頼朝[よりとも]は手を握り込んだ…