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イマドキのクルマは維持費だけじゃない! ヴェゼルのコネクテッド機能を堪能するなら月額1500円以上も

 スマホをキーとして使用できたり、車内Wi-Fiなどといったコネクテッド機能を備えたモデルが増えつつある。確かに便利ではあるが、車両価格の他に別途料金が発生してしまうのだ。

 そこでホンダ 新型ヴェゼルを例に月額の料金をご紹介。一体どのプランがいいのか!?

文/会田 肇、写真/ホンダ、ベストカーWEB編集部

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■使えば超便利なホンダコネクト!! 使用料が発生するのがネガ

ヴェゼルのHonda CONNECTディスプレイ

 コネクテッドカーの普及が進むにつれ、自動車メーカー各社が力を入れているのが“つながるクルマ”だ。

 通信によって車両の状態を管理する他、カーナビゲーションの地図データを更新したり、様々なアプリによる便利機能が使えるようになったりする。今後は5Gの投入によってその内容は一段と充実していくことも予想される。

 一方で、これらを利用するのに有料化されているサービスも少なくない。ホンダが提供する「Honda CONNECT」もそのひとつだ。

 2020年2月に発売したフィットより、それまでのインターナビ・プレミアムクラブに代わって提供が始まった新たなインフォテイメントサービスで、現在はHonda-eやヴェゼル、シビックにも提供されている。

■基本パックとオプションサービスの二部構成! 組み合わせも自在

 そこでここでは新型ヴェゼルを例に、どのプランを組み合わせるのがお得なのかを考えてみたい。

 そもそも「Honda CONNECT」はホンダ車専用車載通信モジュールのことを指し、それを使って提供されるコネクテッドサービスを『Honda Total Care プレミアム』としている。この中にはオンラインを最大限に活用したサービスが含まれ、これがホンダが提供する新世代のオンラインサービスの総称と考えていいだろう。

 そのサービス構成はシンプルで、「基本パック」と「追加オプションサービス」の2段構えとなっているのみだ。

■基本パックでも十分!? 安心安全機能は網羅

 まず基本パックは「緊急サポートセンター」「リモート操作」「自動地図更新サービス」の3つのサービスが提供される。「緊急サポートセンター」は、いわゆる“SOSコール”を指し、事故などのトラブルが発生した際にSOSボタンを押すだけでオペレーターが対応してくれるもの。

「リモート操作」はスマホ上でエアコンの操作や車両位置を確認できるもので、「自動地図更新サービス」はカーナビの地図データを自動的に更新するサービスだ。

■別途支払えばスマホがキーに!! 車内Wi-Fiも完備

 一方、追加オプションサービスで用意されたのが、「ALSOK駆けつけサービス」「Hondaアプリセンター」「デジタルキー」「車内Wi-Fi」の4つだ。

「ALSOK駆けつけサービス」は文字通り、盗難やイタズラに遭遇した際に警備員が迅速に原賠に駆けつけてくれるサービス。「Hondaアプリセンター」は対応する様々なアプリを一覧で見られる機能で、この中にはインターネットラジオ「radiko」や観光スポットなどが探せる「NAVITIME」などが含まれる。

「デジタルキー」はスマホがキー代わりになる機能だ。また、車内で快適なネット環境を実現する「車内Wi-Fi」も魅力的だ。

 ただ、これらの機能を使うには別途月額料金がかかる。「車内Wi-Fi」以外は初回登録から1年間の無料期間が設けられているが、その期間を超えるとサービス一つごとに月額料金が発生する仕組みとなっているのだ。

■全機能堪能するならメーカーOPナビ一択!! 最低でも月額550円は覚悟を

ディーラーオプションでGathersの対応ナビを選んだ場合、「自動地図更新サービス」がなくなっても月額550円のままとなる

 まず基本パックは1年を過ぎると3つのサービス一括で月額550円がかかる。

 この料金がリーズナブルなのかどうかは人によって受け止め方は異なると思うが、個人的にはマクドナルドのランチセット1回分前後の料金で、「緊急サポートセンター」「リモート操作」「自動地図更新サービス」の3つが含まれるのは、納得できる設定だと考える。

 ただ、これは工場オプションの「Honeda Connectディスプレイ」を装着した場合の話。仮にディーラーオプションでGathersの対応ナビを選んだ場合は「自動地図更新サービス」がなくなっても月額550円のまま。

 一応、2024年秋頃までに期間で最大3回までの地図更新は無料で行える(VXU-225VZiのみ)が、更新データは販売店を通じて提供される形となってしまう。その意味でも「Honeda Connectディスプレイ」を選んだ方がお得感はある

■スマホがキーになるのはいいが……月額1540円~はちと高い

 次に「追加オプションサービス」は一つのサービスを追加するごとに月額330円が課金される。もし、車内Wi-Fiを除いたすべてのサービスを利用した場合、基本パックに990円が追加されて合計額は月額1540円。

 これだとディナー1人分といったところだろうか。これが毎月徴収されるとなれば負担感は大きい。一方、車内Wi-Fiはこれとは別に1GB単位330円が課金されるプランとなっているが、使う分だけ加入できるのは便利だろう。

 ではこの「追加オプションサービス」のお得なのか。一つひとつのサービスを踏まえると料金的にはかなりお得な設定と言って間違いない。ただ、実際に使うのかといえば微妙なサービスもある。

 たとえば「デジタルキー」はスマホを使ってドアロック操作や解除、エンジン始動ができるとはいえ、エンジン操作以外は基本パックのリモート操作でもできる。さらにエンジン始動もスマホ上でパスコードを入力する必要があるのも煩わしい。

「ALSOK駆けつけサービス」は、いざという時に現場まで駆けつけてくれる安心感はあるが、実際にどの程度まで役立てられるかは使う人の環境にもよる。

 トラブルが発生した際には「緊急サポートセンサー」へのアクセスが可能なわけで、それ以上のサービスを求めたいならともかく、必要性を感じない人の方が多いのではないだろうか。

「Hondaアプリセンター」も不要なサービスになると思う。radikoなどインターネットラジオはスマホで使えるし、実際にHONDAコネクトで使ってみると走行中は機能制限がかかってカテゴリーの切り替えさえできない。

 NAVITIMEによる目的地検索は検索対象が豊富で使いこなせばメリットはあるが、これもカーナビへ転送するなど二度手間となる煩わしさがある。そして、何よりもこのサービスは2023年3月末でサービスが終了しまうのだ。

■トヨタより料金プランがわかりやすいのが魅力!! 使うなら基本パックがイイぞ

ホンダ シビック車内。もちろんHonda CONNECTに対応する

 Hondaコネクトの料金プランは、基本パックの月額550円以外はすべてが330円で統一されており、プラン1つを加えるごとにマックランチに“てりやきマック”を1個ずつ追加する感覚だ。

 たとえば、コンテンツによって料金が異なるトヨタの「T-Connect」よりもはるかにわかりやすい。その意味ではよく考えられたプランと言っていいだろう。

 リモート機能は実のところ、頻繁には使わないと思うが、手許のスマホでLock状態が確認できるのは何かと便利だ。

 地図更新サービスも年6回更新されるサーバーに新しいデータがあれば、ユーザーが気付かない間に自動で更新される。今までSDカードを介したり、更新のためにディーラーに出向いて来たが、それがなくなるだけでも助かるはずだ。

 車内Wi-Fiにしても使い放題とはなっていないものの、330円という低額なプランであることに加え、Wi-Fiが届く範囲なら車両周辺でも使えるのは、アウトドアなどで重宝しそうだ。

 しかも最大6台まで使えるのは嬉しい。ただ、日産が採用する「docomo in car connect」のように、用途に合わせて使い放題が選べるプランも用意して欲しいところだ。

 こうしてみると、Hondaコネクトは基本パックで使うのがもっともお得なのではないだろうか。

 むしろ、「Honeda Connectディスプレイ」を装着した状態でこのプランに入らないのはもったいないと思う。追加オプションサービスは1年間無料を使い、必要だと思ったものを選べばいい。ただ、そのままにしておくと自動的に課金されるので注意が必要だ。

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