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<p>創業150年目の〈フリッツ・ハンセン〉。その歴史が九段下の洋館でひもとかれます。</p><p>東京タワーなどの設計で知られる内藤多仲が構造設計に関わったスパニッシュ様式の洋館《九段ハウス》で『フリッツ・ハンセン 150th ―タイムレスデザインの証』が4月29日まで開催中!⇒ 今回もっとも注目したいのは、世界初公開となるポール・ケアホルムの新コレクションです。</p><p>創業150年を迎えた、デンマークを代表する家具メーカー〈フリッツ・ハンセン〉。その“タイムレス”なデザインと出会う展覧会『フリッツ・ハンセン 150th ―タイムレスデザインの証』が東京・九段下の《九段ハウス》で開催中です!</p><p>ポール・ケアホルムの新たな製品とともに、これまでの名作群を置くのは二階の和室。和の空間に、ケアホルムの家具がもつ佇まいがよく似合う。 1872年に創業し、世界の名だたる家具メーカーの一つとしてその歴史をともに作り上げてきたデンマークの家具ブランド〈フリッツ・ハンセン〉。創業150年を記念して、東京・九段の〈九段ハウス〉で『フリッツ・ハンセン150th タイムレスデザインの証』が開催されている。 同社の創業者は、デンマークの小さな街で生まれた家具職人のフリッツ・ハンセンだ。若き彼は工房をコペンハーゲンに移し、その真面目な仕事ぶりが評価されて会社は成長を続ける。成形合板や木工ろくろを用いた家具を発表するなか、早くに若き息子に会社を譲った。 二代目のクリスチャン・E・ハンセンはいち早く建築家とのコラボレーションを始めた人物だ。彼は新しい技術を取り入れることにも積極的で、現在も国会議事堂で使用される椅子などを納めるに至る。 こうして現在のフリッツ・ハンセンを形作る礎が築かれ、同社はアルネ・ヤコブセンをはじめ、コーア・クリント、オーレ・ヴァンシャー、ハンス・J・ウェグナー、ボーエ・モーエンセンといったデンマーク家具史に名を刻むデザイナーと家具づくりを行っていった。現在では他社の製造となっている名作も、当初は多くがフリッツ・ハンセンで作られていた。 『フリッツ・ハンセン 150th ―タイムレスデザインの証』は、スパニッシュ様式の洋館〈九段ハウス〉を会場に4月29日まで開催。入口すぐに展示されるカラフルなセブンチェアが目印に。 その歴史はまさに北欧デザインの輪郭を刻んできた歴史といえる。現在もデンマークを代表するデザイナーのセシリエ・マンツ、キャスパー・サルト、さらにはスペインを拠点とするハイメ・アジョン、日本を拠点とするnendoら、世界のデザイナーとともに新しいデザインを生み出し続けている。 『フリッツ・ハンセン 150th ―タイムレスデザインの証』はそんな同社の歴史を紹介しながら、貴重な資料や映像、そして世界で初めて発表される新たな試みまでを取り上げていく。 会場は東京都・九段下の〈九段ハウス〉だ。1927年に竣工したスパニッシュ様式の洋館で、東京タワーなどの設計で知られる内藤多仲が構造設計に関わっている。地下一階から屋上をもつ三階までの全4フロアを使い、さまざまな展示が行われているが、今回もっとも注目したいのが世界初公開となるポール・ケアホルムの新コレクションだ。 ポール・ケアホルム《PK0 A》。スペーサー(二枚の成形合板の接合部品)はオリジナルを忠実に再現した赤。後ろに見えるのは、ケアホルムの図面を用いた掛け軸。 ケアホルムはデンマーク美術工芸学校を卒業後、一年間ほどフリッツ・ハンセンに勤めた経歴をもつ。その際に2枚の成形合板を用いてデザインされたラウンジチェアが《PK0》。しかし同時期にアルネ・ヤコブセンの《アリンコチェア》が開発されており、それを優先するためにお蔵入りとなった幻の作品。かつて600脚限定のみリリースされたこともあったが、このたび新たな定番として《PK0 A》と名を変え、ラインアップに加わった。さらには初めて商品化されるコーヒーテーブル《PK60》もあわせて展示されている。 またアルネ・ヤコブセンの最高傑作〈SASロイヤルホテル(現ラディソン・コレクション・ロイヤルホテル)〉を再現した部屋も見逃せない。現在も竣工当時の姿を残す606号室へのオマージュとして、同室で使われている家具を張り地の色まで再現して展示。まるで現地を訪れたかのような臨場感をもって、名作の数々に腰掛けることができる。</p>