SAKISIRUで先日報道した通り、日本自動車連盟(JAF)の公式ツイッターアカウントのガソリン税や自動車税の見直しを訴える内容の投稿がこのところ、ネット上で話題になっている。JAFの担当者にツイートの狙いや、今後あるべき税制の形を聞いた。
節目節目で減税を主張
JAFの公式ツイッターアカウントは、今年2月には、ガソリン税の不可解な税制を次のようにツイート。
何度も申しますが、現在のガソリン税は”Tax on Tax”や”当分の間税率”など不可解な仕組みで到底理解・納得できません
補助金などの対策ではなく、そもそも不可解な課税形態を見直すべきです
何度も申しますが、現在のガソリン税は"Tax on Tax"や"当分の間税率"など不可解な仕組みで到底理解・納得できません🔥
補助金などの対策ではなく、そもそも不可解な課税形態を見直すべきです😠💢
▼JAFはガソリン価格高騰を受け声明を発表しましたhttps://t.co/aumHhpia96#ドライバーは高額納税者 pic.twitter.com/C2hqXkTxO5
— JAF (@jaf_jp) February 8, 2022
ツイートに合わせて。「今こそ、ガソリン価格を抑えるために「当分の間税率の廃止」および「Tax on Taxの解消」を!」という声明文を発表している。そして5月に入ると、月末に迫る自動車税の納付期限に合わせて、次のようにツイートし、今や地域によっては生活必需品となっている車への税金が高すぎると指摘した。
5/31が納付期限の自動車税
この自動車税を含めガソリン税・消費税などで
乗用車には毎年約11.57万円の税金が課せられています
生活必需品なのに、こんなにかかるなんて
こんなの過重で負担すぎます
補助金ではなく、抜本的な見直しを
5/31が納付期限の #自動車税🚙💸
この自動車税を含めガソリン税・消費税などで
乗用車には毎年約11.57万円の税金が課せられています😱
生活必需品なのに、こんなにかかるなんて💦
こんなの過重で負担すぎます😠🔥
補助金ではなく、抜本的な見直しを👊#ドライバーは高額納税者https://t.co/AxDAzjmgy0 pic.twitter.com/cauwEgJJEQ— JAF (@jaf_jp) May 9, 2022
さらに、先日(5月18日)は車を大切にし、長く乗れば乗るほど、高額になっていく不可解な「重課税」に対する批判を展開していた。
新規新車登録から13年経過すると重い税率が課されます(対象:自動車税や自動車重量税)
SDGs(持続可能な開発目標)てよく聞きますけどまだ持続可能な車を所有しづらくする税制ってどうなんでしょう?
長く大切に使うってエコじゃないんですか
新規新車登録から13年経過すると重い税率が課されます😱(対象:自動車税や自動車重量税)
SDGs(持続可能な開発目標)てよく聞きますけど
まだ持続可能な車を所有しづらくする税制ってどうなんでしょう❓長く大切に使うってエコじゃないんですか😠🔥#ドライバーは高額納税者 https://t.co/AxDAzjmgy0 pic.twitter.com/80mnWVfQH8
— JAF (@jaf_jp) May 18, 2022
JAFの減税を訴えるツイートは多くのドライバーから共感を集め、それぞれのツイート万単位の「いいね!」を獲得している。
8割以上のユーザー、課税形態に「納得せず」
実はJAFが税制などの政治的な投稿をツイッターで行うことは数年前まで珍しいことだったが、なぜここ最近、こうした主張をするようになったのか。JAFの担当者に話を聞いた。
担当者は、自動車税やガソリン税の減税を呼びかける行動を、「JAFの使命」と考えているという。
「JAFは自動車税の引き下げやガソリン税に消費税が課税される「Tax on Tax」の解消など自動車ユーザーの声をもとに政府等に要望を続けてまいりました。しかし、なかなか要望が反映されていないのも事実です。それでも、自動車ユーザーの声を上げ続けていくことが使命だと考えています。」
現在の自動車を巡る税制は不可解かつ不公正なもので、自動車ユーザーが納得できる税制に変更すべきと強調する。
「今後は、2050年カーボンニュートラルに向けて自動車税制の仕組みも変わっていくことが予想されます。そのような状況ではありますが、JAFが求めるのは自動車ユーザーが納得できる公平・公正・簡素な自動車税制です。」
車の重課税やガソリン価格の高騰で、JAF会員の多くは、課税形態の是正を望んでいることがアンケート調査で明らかになったという。
「JAFが2021年に実施したウェブアンケート調査では長期保有に関しましては8割以上の自動車ユーザーが納得していないことが分かっています。JAFとしましてはガソリン価格の高騰そのものの是正ではなく、不合理な税体系の是正を求めています。実際にガソリン税に課税される消費税(Tax on Tax)につきまして、ウェブアンケート調査では9割以上の自動車ユーザーが課税形態の是正を望んでいます。」
自動車ユーザーの中には、「自動車メーカーを巻き込んで業界全体として政府に訴えるべき」と要望するユーザーも少なくない。JAFの担当者はそういった行動も否定しなかった。
「自動車関連団体で構成する『自動車税制改革フォーラム』に加盟しており、そちらの活動に参加する可能性はございます。」
同フォーラムは、2002年の設立以来、「道路特定財源の一般財源化絶対反対」を訴えてさまざまな行動を起こしてきた。メーカートップらが出席して自動車を巡る税金の減税を訴える共同記者会見もたびたび実施している。2018年には、新規登録車を対象にした「自動車税の恒久減税」を勝ち取った実績もある。
既に実績がある同フォーラムに本格的にJAFが加わるとなると、ひょっとするとひょっとするかもしれない。JAFの動きを期待しながら、今後、より注目していきたい。