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Samsungの最新フラグシップスマートフォン「Galaxy S22」シリーズは、特に自社製チップの「Exynos 2200」搭載モデルについて、失望をもたらしたが、Samsungはこの状況の改善に本気で取り組むようだ。

この記事の要点
  • Samsungは、自社製スマートフォンに専用設計されたアプリケーションプロセッサー「AP」開発のために、優秀な人材からなる「ドリームチーム」を結成。
  • ドリームチームの名前は「Dream Platform One Team」と呼ばれ、2022年7月から具体的な作業に入る模様。
  • 2025年にAppleの独自チップに勝る性能を実現することが目標とのこと。

Samsungはこの共同作業のために1,000人の従業員を集める予定だ

Samsungは現在、2025年までにAppleの自社製チップセットの能力を超えると言われている、まだ名前すらない新しいチップセットを開発するために、半導体部門とスマートフォン部門の両方から選ばれた才能のある人材からなる「ドリームチーム」を結成する。

このチームの内部名は「Dream Platform OneTeam」であり、東亜日報によると、作業開始は2022年7月からとのこと。SamsungがハイエンドSoCの開発を成功させるという目標を実現するには、同社半導体部門「Samsung LSI」と、「Samsung Mobile」の共同作業が必要となる。両部門の多くの従業員がこの目標を達成するために連携することになり、強固な内部協力が見込めるという。

この相乗効果は、現在Exynosが抱えている問題を改善する可能性がある。

Exynosは、Samsungが他のメーカーにも供給しているという点で、より汎用的なチップだが、今回Samsungが取り組むのは、より自社のデバイスに特化した専用チップになるという。

だが、Samsungの開発を妨げる可能性のある障害が残っている。そのうちの1つは同社自身にあり、詰まるところそれはTSMCより劣っているとの報告がある、Samsungのファウンドリ部門となる。最近、Qualcommは(正式には公開されていないが)このSamsungの製造プロセスが抱える問題を理由に、新しい「Snapdragon 8+ Gen 1」の発表に際しては、製造をこれまでのSamsungからTSMCに切り替えている。

Samsungは、先日他社に先駆けて3nmでのチップ製造を第2四半期に開始すると発表したが、一部では、3nmは歩留まりが悪く、立ち上げに苦労しているとの話もあり、状況の改善は芳しい物とは言えない。

MBCFETでの3nmプロセスが軌道に乗れば、これまで後塵を拝していたTSMCに対して挽回する可能性もあると言われているだけに、ここについてもなんらかの改善が図られるのではないだろうか。

さらに、Samsungのもう1つの目的は、スマートフォンやその他のデバイスで使用する新しいプラットフォームでの作業を促進し、Appleのエコシステムとの競争を強めていく狙いがある。今回の独自チップの製造が、Samsungの新たな一歩となる可能性は大いにあるだろう。