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<p>国民審査 “在外日本人 投票できず” 最高裁 憲法違反か判断へ | NHK</p><p>国民審査 “在外日本人 投票できず” 最高裁 憲法違反か判断へ #nhk_news</p><p>【NHK】最高裁判所の裁判官をふさわしい人か審査する国民審査に、海外に住む日本人が投票できないことが憲法違反かどうかが争われている…</p><p>裁判で原告側は「国民審査を行う権利は憲法で保障されているのに、海外に住んでいることを理由に制限されている。憲法違反で許されない」としたうえで、「国会は憲法違反を認識しながら、法改正を怠っている。選挙と同じように裁判官の名前を書く方式にすれば簡単に解決できるはずだ」と主張しています。 一方、国は「国民審査は、議会制民主主義の根幹をなす選挙権とは意義や沿革が異なり、不可欠な制度とはいえない」としたうえで、「国民審査は裁判官の名前を印刷した用紙に×印を書く投票方法のため投票用紙の作成や送付に時間がかかり、海外での実施は不可能だ。技術上の問題という合理的な理由があり、憲法違反ではない」と反論しています。 1審の東京地方裁判所は3年前、「最高裁判所の裁判官の任命に民主的な統制を及ぼす国民審査の制度は、憲法が定める国民の権利の1つだ。権利の行使を制限することは原則として許されず、2017年の国民審査でやむを得ない事情があったとは到底言えない」として、憲法に違反すると判断しました。 そのうえで、国会が対応をとらなかったと指摘し、原告1人につき5000円を支払うよう国に命じました。 また、2審の東京高等裁判所はおととし、「選挙と同じ方法で国民審査も在外投票することは十分可能で、一切認めないことは憲法に違反する」として、1審に続いて憲法違反と判断しました。 そのうえで「選挙権と同じで、投票できなければ意味がなく、賠償によって救済することもできない」と指摘し、次回の国民審査で在外投票ができなければ違法になるとする初めての判断を示しました。 次回投票求める原告は 平野司さん(43)は訴えを起こした5人の中ではただひとり、いまも海外に住んでいて、裁判では次回の国民審査で投票できるよう求めています。 平野さんは、父親の仕事の関係で幼少期をブラジルで過ごし、その後、帰国しましたが、26歳のときにブラジルで仕事を始め、現在は起業して日本企業の支援などを行っています。 5年前の衆議院選挙のときには一時帰国していて、国内の投票所で選挙の1票を投じましたが、国民審査の投票は認められなかったということです。 当時の心境について平野さんは「同じように憲法で定められているのに選挙には投票できて国民審査は投票できないというのは、率直に違和感がありました。ブラジルでは外国人として暮らしていて投票権がないので、どうしても日本の選挙などに参加することを意識します。国外に住んでいるだけでできないと言われるのは純粋にさみしい」と振り返ります。 訴えを起こした理由については「国民審査は形骸化していると言われるが、それは日本が平穏で、司法を通して社会のルールをあえて変える必要がないと思われているからだと思う。しかし、平穏な状態がこの先もずっと続くかは分からない。国民が司法に対して影響力を持てる国民審査に海外に住んでいても参加できるのか、今のうちに確認しておきたかった」ということです。 また、ブラジルでは選挙に電子投票が導入されていることもあって「海外で国民審査を行うのは技術的に難しい」という国の主張には疑問を感じています。 平野さんは「国政選挙があると、アマゾンの熱帯雨林の奥地の投票結果も含めて、締め切りから数時間後には結果が分かる。その仕組みをそのまま導入してほしいというつもりはないが、日本にあった形で取り入れていく姿勢を立法府や行政府に持ってもらいたい。海外に住む日本人を含む国民全体ができるだけ広く参加できるよう配慮してほしい」と訴えます。 そのうえで、25日の判決で最高裁に望むこととして「投票を認めない理由を探すのではなく、課題にしっかり向き合うような建設的な判断をしてほしい」と話しています。</p>