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どこか懐かしい昭和の味わいがある。世知辛い世の中、暗く複雑で煮え切らない終わり方の作品が多くて気になっていたが、この小説はとにかく明るい。まず主人公の新人編集者、山野内和真のお仕事小説であり、出版社や作家の内情がよくわかる。と同時に題名の通り、今ひとつはグルメ小説なのだ。和真は、…