Mercedes-AMG Vision AMG
AMG独自のEV専用プラットフォームを使用
大排気量・大パワー・大トルクの多気筒エンジンを積んだハイパフォーマーづくりを身上としてきたAMGも、いよいよ電気自動車開発に乗り出している。すでに独自の高性能ハイブリッド機構「E PERFORMANCE」の導入をスタートしており、2025年には初のピュアEVも投入する計画だ。
今回発表したスタディモデル「Vision AMG」は、“電気自動車時代のAMG”の方向性を示す1台。ロングホイールベース+ショートオーバーハングの伸びやかなプロポーションをもつ4ドアクーペで、AMG独自のフル電動モデル専用プラットフォーム「AMG.EA」をベースとしている。
従来のモーターに差をつける超高性能型を採用か
公式資料には、「プラットフォームだけでなく、高性能高圧バッテリーや革新的なドライブテクノロジーなど、Vision AMGのすべてのドライブトレインは白紙から開発される」と謳う。メルセデス・ベンツは2021年7月に、電動モーターメーカーの英YASA社を買収し、完全子会社化した。AMGのEVには、YASA独自のアキシャルフラックスモーター技術を活用した超高性能モーターを搭載すると見られている。それは「小型で軽量、かつ従来型モーターを大幅に上回るパワーを発揮する」という。
フロントマスクには、AMGを象徴する「パナメリカーナグリル」の新解釈ともいえるグリルデザインを採用。ボンネット上には巨大なエンブレムが鎮座し、その左右にはスリーポインテッドスターをデフォルメしたヘッドランプを配している。ヘッドランプを繋ぐ水平基調のライトバーは、状況に応じて様々な“光の演出”をするという。また、リヤエンドには中央に巨大な「AMG」の文字を配置。テールランプには、あえてどこか懐かしい丸形デザインを採用している。
F1テクノロジーも随所に活用
EQシリーズや、F1活動などから得られた多彩な技術が導入されると見られている。
シルバーアローを彷彿させるボディカラーを採用する一方、ホイールやサイドシル、ディフューザーには、メルセデスAMG ペトロナス F1チームとの繋がりを示すエメラルドグリーンのアクセントをプラス。カーボンファイバー製パーツや空力ホイールなど、F1マシン由来のテクノロジーが随所に活用されていることを主張するカラーリングだ。
まるでひとつの金属から削り出したような造形。それぞれのコンポーネントが融け合うように繋がる、彫刻のような美しい仕上がり。伸びやかなホイールベースに、引き締まったオーバーハング。そしてEQSに比べてぐっと低い、地を這うような車高。かつ、大人4人が十分快適に過ごすことのできる広大なキャビン──これが、アファルターバッハが提案する新しい時代の電動スーパーカーのカタチなのである。