ひと口にトラック&トラック業界といっても、いささか広うござんす!
そんな斯界にあって、ひと括りに出来ないネタの数々をまとめて集めてお送りしようというのがこの番組、じゃなかった、この記事でございます。
あんな疑問やこんな疑問、あんな話題にこんなトピックス、ごった煮だけど味わい深いトラックのトリビアを、どうぞご賞味あれ!
文・写真/多賀まりお・トラックマガジン「フルロード」編集部・他
*2012年6月発売トラックマガジン「フルロード」第6号より
UDトラックスの「UD」には新旧2つの意味がある
現在のUDトラックスの「UD」は、「Ultimate Dependability=究極の信頼」と規定されています。
ただ、もともとのUDは、かつての日産ディーゼル時代より前の民生デイゼル工業時代に「Uniflowscavenging Diesel engine」=単流掃気方式2サイクルディーゼルエンジンの頭文字からとったもの。
このネーミングの元となったエンジンは、アメリカのエンジンメーカーでGM傘下(当時)のデトロイトディーゼルが開発。UDエンジンはGMとライセンス契約を結んだ民生デイゼルの代名詞になりました。
ボルボによる買収後、これを社名にしたんですね。
チェコには超過激なトラックスポーツがある
チェコは、美しい赤レンガの街並みと緑豊かな土地柄、ついでにビールがうまいことから、国外旅行の候補地に挙がることもしばしば。
そんなチェコで盛んに行なわれているトラックスポーツが、トラックトライアルである。競技は険しい山道や岩場などの超悪路環境で行なわれるトライアルレース。
チェコにはオフロードトラックの名門「タトラ」があるが、競技車両はこのタトラのトラックをよりカスタマイズしたようなマシンで、キャブを包み込む極太ロールバーとバルーンタイヤがオーソドックスなスタイルといえよう。
車種としてはウニモグをはじめ、メルセデスやマンなどの旧型車両が目立つ。非常に珍しいトラックもオフローダーにカスタマイズされて参戦しているなど、競技車両だけでもでもなかなかの見モノ。
各チームの大型オフローダーが黒煙を吹き上げながら急傾斜の泥坂を駆け登る姿は圧巻だ。ヨーロッパ観光の際にはぜひこのエクストリームスポーツをご観戦ください。
トラックのブレーキにはこんな種類がある
自動車のフットブレーキ(サービスブレーキ)はペダルを踏み込む力を各車輪のブレーキに伝えて、ディスクやドラムにパッドやシューを押し付けるのが基本です。
ただし、重量の重い車両は強い力でパッドやシューを押し付けないと充分な制動力が得られないため、伝える力をアシストしたり、踏み込み量に応じてブレーキに強い力を伝える機構が備わります。
現在トラックの場合はGVW(車両総重量)8トン級までの小型トラックは乗用車と同じ油圧式で、エンジンが回すポンプで作った負圧を利用して油圧を高めるマスターバックもしくは電動の油圧アクチュエータでアシストしています。
これに対して中型(GVW8~20トン級)と大型車の一部はエア・オーバー・ハイドロリック式、トラクタならびに大型単車の多くはフルエア式を用います。
これらの方式ではブレーキペダルは圧搾空気の流れを制御するバルブに過ぎず、踏み込む力がそのままブレーキに伝わるわけではありません。
フルエアの場合はブレーキペダルから送られてきた制御用の空気圧がリレーバルブで作動用の空気圧に置き換えられ、各輪のブレーキを空気圧で作動させます。
また、エア・オーバーの場合はブレーキペダルから来た空気圧で油圧式ブレーキのマスターシリンダーを押し込み、発生した油圧でブレーキを作動させる仕組みです。
トラクタがフルエアを使うのはトレーラの連結時にブレーキラインを脱着する必要があることも理由のひとつです。
日本で一番排気量の大きいエンジンを積んだトラックって何?
国内販売されたモデルとしては1997年に登場した10TD1型エンジンを搭載の、いすゞギガの6×4セミトラクタ(EXZ系)であったと思います。
同エンジンは排気量3万0390ccのV型10気筒自然給気で、最高出力600ps/2100rpmと最大トルク210kgm/1300rpmを発揮。アイドリング付近の低回転から豊かな低速トルクを発生し、GCW70トン級の重トレーラを引いても扱いやすかったのを憶えています。
ゼクセル(当時)製のTICS(噴射率可変式電子制御列型噴射ポンプ)などによって2000年の平成11年長期排出ガス規制には適合しましたが、2003年の平成13年騒音規制対応を機に直列6気筒の過給エンジンに置換され、短命に終わることとなりました。
いすゞの「V10」が昔あったけど今はないの?
「ニューパワーV10」として1973年に登場した10PA1型エンジンは排気量1万2464ccのV型10気筒で、295psを発揮。モジュール設計の兄弟ユニットとして12気筒の12PA1型と8気筒の8PA1型も同時に開発されました。
これらのエンジンはPB~PC~PD型と排気量を拡大しながら進化を続け、1994年に発表された最終形の10PE1型では1万9001cc/325psに及んでいます。
このあと10TD1型/8TD1型/6TE1型にバトンを渡したいすゞの大排気量自然給気エンジンでしたが、排ガス規制への対応が難しく、2005年の新短期規制対応までに全て過給エンジンに置き換えられました。
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