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もしものために覚えておきたい「パンクした!」対処法と連絡先

 走行中にクルマのタイヤがパンクした経験はありますか?? タイヤのパンク/バーストは、日頃しっかりと点検を行っていても、道路におちていた異物が原因で起こることもあります。

 タイヤのパンクは、JAFへ救助要請があった件数だけで年間382,439件(四輪:373,112件/二輪:9,327件/2020年度)あり、日本のどこかの道路で1日あたり1000件以上、誰かのタイヤがパンクしている計算になります。この数字は、タイヤの性能が進化し、道路舗装状況が向上している令和の時代でも減少する傾向はなく、まったく他人事ではありません。

 思いもよらない突然のトラブルで、「止まっているのは危ないから、このまま走るべきなのか」 「助けを呼ぶのは警察??」と、パニックになってしまうかもしれません。そんなもしものために覚えておきたい、クルマのタイヤがパンクしたときの対処法と連絡先についてご紹介します。

文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_anatoliy_gleb
写真:Adobe Stock、写真AC

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パンクに気づいたらただちに対処を!!

 クルマのタイヤがパンクする原因には、空気圧不足やタイヤの劣化などのメンテナンス不足・点検不足によるもののほか、道路に落ちていた釘やネジといった金属片を踏んでしまったことによるものや、道路にある縁石に乗り上げたりキャッツアイを踏んでしまったりでタイヤのサイドウォール(側面)にキズが入ってしまったことによるものもあります。

 このパンクに気づかずに走行を続けてしまうと、「バンッ」といった破裂音と共に、爆発のような状態となる「バースト」を引き起こします。特に高速走行中はタイヤに負荷がかかっていることから発生しやすく、非常に危険。このバーストを引き起こさないためには、タイヤがパンクしたら、適切に対処することが必要であり、「あと少しで目的地だから」と走り続けるのは危険です。

 また、パンクしている状態で走り続けることは、危険なだけでなく、ホイールリムやサスペンション系へもダメージを与えることにも。こうなると修理代金も高額になってしまうため、無理せずに、ただちにクルマを止めましょう。

とにかくロードサービスへ連絡を

 パンクに気づいたら、とにかくロードサービスに頼るのが一番です。タイヤ交換やパンク修理キットによる作業をしている時に、後続車に轢かれたり、坂道でジャッキ作業をしてクルマが落ちてきたりなどの2次被害を防ぐ狙いもあります。JAF(ナビダイヤル 0570-00-8139、もしくは短縮ダイヤル #8139)や、契約している任意自動車保険などに連絡し、現在地やタイヤの状態を伝えて、指示を仰ぎましょう。

 JAFと提携する自動車保険に加入している場合は、JAF会員の無料サービスの範囲拡大など、プラスαの優遇サービスが適用できる場合もあります。ロードサービスが到着するまでは、三角板などを出して、後続車へ知らせることも大切です。

パンクに気づいたら、ロードサービスに頼るのが一番(PHOTO:Adobe Stock_ anatoliy_gleb)

自分で交換・補修した場合も、すぐに修理工場へ

 ただ、ロードサービスは、到着までにかなり時間がかかる場合も考えられます。スペアタイヤを積んでいる場合は自身でスペアタイヤに交換することで、修理工場へ向かうことができますが、パンク修理剤のみの場合、修理剤では対応できない場合も。

 パンク修理剤では、タイヤトレッド面の比較的小さな穴であれば補修が可能ですが、穴が大きすぎたり、また、サイドウォールに傷がついてしまった場合は、補修ができません。修理剤で直していいのかわからない場合や、修理剤の使い方に自信がないようでしたら、大人しくロードサービスが到着するのを待ちましょう。

 ちなみに、パンク応急補修剤を使用して補修をしてしまうと、もうそのタイヤは修理をすることができず、その後は新品に交換しなければならない、といわれていることがありますが、そんなことはありません。修理剤を洗い流すのに時間と手間がかかるためです。

 除去洗浄する工賃が(5000円程度が多いそう)プラスされるため、タイヤ修理費としてはやや高額となりますが、パンク穴以外はまだまだ状態がよいタイヤであれば、裏張りでしっかりとパンク修理をすることで他のタイヤと同じように、スリップサインが出るか、ひび割れるまで使い続けることができます。タイヤを新品交換するよりも、補修剤を除去したうえでタイヤ修理をした方が安く済むので、迷わずに修理剤をつかって大丈夫です。

 ただし、極一部のコンフォートタイヤに使われている特殊吸音スポンジ付きタイヤなどは、染み込んでしまった液剤の除去ができないので、吸音効果を維持したいのであれば、タイヤ交換が必須となります。また、スペアタイヤを使用した場合と同様に、補修後はただちに修理工場へ向かってください。

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 一般的な市販タイヤはチューブレスタイヤのため、金属片を踏んでもただちに空気が抜けることがなく、徐々に空気が抜ける「スローパンク」となります。タイヤに金属片が食い込んでいても、空気圧が安定しているようであれば、金属片を抜いたりせずにそのままの状態で、速度を抑えてガソリンスタンドや修理工場、最寄りのディーラーなどへ駆け込むこともできますが、スペアタイヤに交換してから向かった方が確実。安全はもちろんのこと、愛車とお財布へのダメージを少しでも抑えるため、焦らず冷静に対応することが必要です。

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