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<p>【全文レポート】トム・クルーズ来日『トップガン マーヴェリック』リアル記者会見 ─ 「常に映画のことを考えている」(写真76枚) | THE RIVER</p><p>トム・クルーズ、『トップガン マーヴェリック』劇中に登場する飛行機(P-51)について、「あれは僕の自家用機なんですけど〜」とサラリ。 #トムクルーズ #トップガン #マーヴェリック</p><p>たっぷりお届け!</p><p>──ジェリー・ブラッカイマーさんにお聞きします。トム・クルーズさんをはじめキャストの皆さんが実際に戦闘機に乗り込んで空中シーンを撮影するという、挑戦が多い作品だったと思います。 ジェリー: リアルにやりたかったんです。トム・クルーズと映画を作るなら、リアルにやらなくては。トムは実際に操縦免許を持ったパイロットでもありますし。役者のための3ヶ月のF-18(戦闘機)訓練プログラムを、トムは自分で設計したんですよ。はじめは小型のプロペラ機に乗り、そこから曲芸飛行をする機体に乗り、やがてジェットに乗った。これは、G(重力)に耐えられるようになるためです。1Gが、自分の体重分に値するんですね。そしてF-18のシーンでは、彼らは7〜8Gに耐えているんですよ。だから3ヶ月の間、そのGに耐えられるに訓練していたんです。 1作目の時に、役者たちはF-14に乗ったのですが、残念ながらトムの映像しか使い物にならなかった。他の役者たちは、気絶するか吐くかだったから(笑)。 (トム・クルーズ、面白そうにジェリーに何か話しかける) 本作の劇中で、戦闘機が上昇しているところでは、役者たちも実際に上昇しているし、下降しているところは下降している。旋回している時も旋回しているわけです。本物です。劇中の戦闘機パイロットは、全て本当に飛んでいます。 トムは過去35年間、最高の監督やライター、俳優たちと仕事を重ねてきました。そこから彼は、スポンジのように吸収していったんです。『トップガン』では、そんな彼の様々な知識が活かされています。どうすれば観客を楽しめられるだろうか?というね。それが『トップガン マーヴェリック』です。 ©︎ THE RIVER トム: それから、ジェリー・ブラッカイマーからも学ばさせていただきました。素晴らしいプロデューサーです。若い頃に彼とご一緒できていて、幸運です。彼が何十年も最高の娯楽映画を作り続けていることも。『ビバリーヒルズ・コップ』に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなど、彼の大ヒット映画は枚挙にいとまがない。すごく面白くて最先端の映画ばかりです。だから、彼から学べたことも幸運でした。 彼は映画に対して非常に情熱的です。(ジェリーの方を見ながら)むしろ、どんどん情熱的になってません?現場でご一緒した時は、まるで当時から時間が経っていないような感覚でしたよ。 もちろん挑戦的な映画でしたが、でも僕たちは挑戦が好きですからね(笑)。だから楽しかった。キャストのみんなもすごく頑張りました。今日だって、みんなを連れてきたかった。会えばきっと好きになりますよ。 ──(会場の記者から)ドッグファイトのシーンが前作以上に素晴らしく、感動しました。戦闘機にIMAXのカメラを搭載したり、日本製のレンズを使ったりといったことを伺っています。どういう風に撮影されたのか、その秘密を教えてください。 トム: まず、1作目の最初の時に、「必ずF-14で撮りたい」ということを話しました。トニー・スコットが小型カメラの開発にあたって、5分だけなら機内で撮影できるようになったんです。 この点をどうしようかと、数十年に渡って考え続けました。僕は自分でも飛行機やジェット機を操縦するんですが、どこへ行っても『トップガン』の続編を求められる。そこで、もし作るなら、どうアプローチしようかと考え続けました。そこで、空撮のやり方や仕組みの検討を続けました。時間と共に、技術も進歩し、様々なものが開発されていきました。 『バリー・シール アメリカをはめた男』(2017)の時にも、カメラを航空機の別の場所に入れ込んだんです。バイクや車の時なら、撮影に関する技術やメソッドがわかるんですけど……。(後ろ振り向いて、通訳に)タイミングおっしゃってくださいね。喋りすぎちゃったかな? 通訳さん: トム: オーケイ。喋りすぎは良くないね(笑)。 カーレースの撮影をする時は、どこにカメラやレンズを配置すべきか、どんなストーリーを語っているのか、ということを考えます。曲芸飛行の訓練もやります。『トップガン マーヴェリック』の冒頭と最後に、P-51という第二次世界大戦時の飛行機が登場するんですが、あれは僕の自家用機です。僕は編隊飛行もできるし、曲芸飛行も練習しています。そういうことをやっている間でも、頭の中では映画のこととか、ストーリーのことを考えている(笑)。いつもそんな感じです。 ジェリーと僕はもう何年も映画作りについて話してきています。で、今作はどうやろうかと。『バリー・シール』や『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』でのヘリコプターの空撮シーンの時も、できるだけ技術面はどうなっているのかと注視するようにしていました。ジェリーと話をした時も、グリーンスクリーンは使わないという意向に賛同してもらえました。海軍にも「こういう風にやろうと思います」と話を持っていきました。でも、それだけでは(コックピットに)カメラを積んでやろうという話には進められない。ストーリーやキャラクターはもちろん、何ができるのかをビジュアル的に理解させる必要がありました。 ストーリー・イズ・キング(ストーリーこそが要です)。ストーリーが最も重要です。カメラのレンズを覗き見れば、どんなストーリーかが見えてきます。どこにカメラを置けるのか、どんなレンズを使うべきかが見えてきます。広角レンズなのか、ロングレンズなのか。どういう感情なのか。何が作れるのか。映画の勉強をする時には、どうすればできるのかということを……。 アートとは、才能によるものです。アーティストの才能とは、自分が強烈に作りたいもので、人に影響を与えられるということだと思います。それは笑いだったり、笑顔だったり、感情を作り出す。人を感動させるストーリーテリングです。 ジェリーと僕、そしてクリス・マッカリー(編注:『ミッション:インポッシブル』直近作の監督であり、トムの友であり、本作の脚本)とは長い時間をかけてショットについて吟味してきました。たくさん練習して、撮影をやってね。戦闘機も異なるので、F-18を入手して。「こういうことをやる」ということをみんなに理解させるところに立ち返りました。スタジオにも、役者たちにも、カメラマンにも、「こういうことをやるんです」と説きました。撮影した映像を見て、「レンズが違うな」と自分で確認しました。全てのシークエンスにアプローチできるように、技術開発もしなくてはなりませんでした。 映画とは、時に数年がかりになることもあります。ジェリーと僕は、今作について36年も話してきたんですからね。手を出してみては、やっぱり引いてみたりと36年。どこへ行っても続編を求められるもので、考えるようになって、ジェリーとも時間をかけて話し合って。自分でも時間を作って空撮の練習をやって、どんな風にストーリーを語れるかを確認しました。 海軍からもF-18の使用許可をいただけて、自分のP-51も使って。撮影して、再撮影して、再撮影して……、何度も何度も撮影して、ショットを見つけて、うまくいくストーリーを見つけていきました。だから……すごく複雑です(笑)。様々な方の努力の賜物です。どの部門の方も、プロデューサーが色々と問題解決をしなくちゃいけなかったと言いますよ。映画のプロデュースというのは、何か問題があった時のために、いかに準備をしていたかです。とりわけ、この『トップガン』では、やったことがないことばかりだった。でもジェリーはやってきた。『パイレーツ・オブ・カリビアン』とかアクション映画でね。だから彼と仕事をすると、すごく問題解決ができて素晴らしい。彼の知識と僕の知識を組み合わせて、クリス・マッカリーやジョー(監督)も一緒に、やり方を編み出したんです。そうやって撮りました。本物を撮ってね。いくつかのショットでは、僕が朝になって地形を確認して、「ここで撮ろう」と戦闘機パイロットに伝えて撮ったものもあります。もともと別のエリアの予定だったんですけど、撮りに出かけました。 ©︎ THE RIVER (ここまでしばらく話した後に)……撮影方法の話になると、何時間も喋っちゃう(苦笑)。できるだけ簡潔に話したかったんですけど(笑)。喋りすぎちゃってごめんなさい。話が細かいですよね。 撮影して、再撮影して、また再撮影をして。スタジオには映像を送っていなかったので、彼らはどんな内容かを理解していませんでした。僕が映画を撮るときは、(途中で)誰にも映像を見せないんです。彼らは、「なぜこの方法なのか?」と聞いてこられました。なので映像をカットして、ちょっとした映像をスタジオの大スクリーンで上映して……(ジェリーの方に向かって)覚えてますか、ジェリー?空撮の映像を披露してね。そしたら、“Oh my gosh… Okay”って。ハッハッハッハッハ(笑)。“オーケイ、進めてください。やっと理解しました”って(笑)。 ジェリー: スクリーンで観ると簡単そうに見えるけどね、簡単じゃないんだ。すごくすごく大変なんですよ。トムのような人が弛まぬ努力をしているからですよ。彼は朝早く起きて、本物のパイロットと共に役者たちが飛ぶ2時間前にブリーフィングをやるんです。 飛んでいる間の映像は見られないので、音声だけ聞いてね。降りてきてから映像を見て、ちゃんと撮れているかを確認して、また戻って撮影です。そこでまたトムや監督やパイロットや役者と共にブリーフィングをやってから戻るんですね。そういうプロセスを数ヶ月間繰り返して、ようやくお見せできる映像が出来るんです。容易なことではありません。かなり難易度が高いです。 そこで、「この機材がいる」「あの機材がいる」とか、「これはなくてもいける」ということをパイロットを決めて。トムとジョーはF-18の小さなコックピットに入る6台のカメラを設計しました。これは史上初のことです。 トム:</p>