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<p>貧しくなる米国、「資産ショック」で5兆ドル消失-9兆ドル目減りも</p><p>貧しくなる米国、「資産ショック」で5兆ドル消失-9兆ドル目減りも</p><p>世界で最も裕福な国である米国が、これまでなじみのなかった不快な感覚に襲われている。米国が貧しくなりつつあるという実感だ。</p><p>新型コロナウイルス感染拡大にもかかわらず、米国人の総純資産は過去2年間驚異的なペースで増加した。米連邦準備制度理事会(FRB)の 推計 によると、2020年初めから昨年末までの間に家計の純資産は38兆5000億ドル(約4920兆円)増え、過去最高の142兆ドルに達した。  しかし、米国は新型コロナとの共存に慣れ、消費がコロナ禍前の正常な状態に戻りつつあるが、その一方で新たな脅威に直面している。JPモルガン・チェースによれば、資産の目減りは今年に入り少なくとも5兆ドルに上り、年末までに9兆ドルに達する可能性がある。 これまでのところ富裕層が最も大きな打撃を受けており、株式や暗号資産 (仮想通貨)などの金融資産の価値急落を背景に米国のビリオネアの富はピークから約8000億ドル減った。しかし、ミドルクラス・勤労者世帯の保有資産の大部分を占める住宅市場も、金利の急上昇で動揺し始めている。 信頼感の主要な押し上げ役 だった右肩上がりの貯蓄が突如失われたことをその全てが物語るが、それは意図的な展開ともいえる。高インフレ根絶のため、連邦準備制度は景気が減速しても米国人に支出を抑制してもらう必要がある。     S&P500種株価指数は年初来で18%、ナスダック100指数は27%、ブルームバーグの暗号資産指数は48%それぞれ下落している。 マイケル・フェロリ氏を中心とするJPモルガンのエコノミストらは、その全てが「今後1年の成長を妨げるに違いない資産ショック」を意味すると20日のリポートで指摘した。 パウエルFRB議長ら米金融当局者は、積極的にそうした減速を目指すと繰り返しており、22年の「グレート・ウェルス・ドロップ」に対応し、政策担当者らが行動を起こす可能性は低い。 原題:</p>