ホンダeやBMWの電動モデルなど超ワイドディスプレイを横並びに配置するモデルが増えている。その一方で複数枚のモニターを縦に配置しているクルマといえば日産 スカイラインやマイナーチェンジ前のトヨタ クラウン程度。
しかもクラウンに至っては1枚のディスプレイに変更されてしまっているのだ。将来的に複数枚のディスプレイを搭載するモデルはすべて横に配置するのが当たり前になるのだろうか!?
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タテヨコ勢が乱立!! 複数モニターが増殖中
クルマのナビなどを表示するモニターの巨大化、そして複数モニターの装備が加速している。
車内に乗り込んだとき、シートの豪華さよりもむしろ、8~11インチが当たり前になりつつあるモニター画面の大きさに「感動」してしまいがちなのは、ブラウン管テレビから薄型液晶(プラズマ)大画面テレビへの移行。そしてガラケーからスマホへの進化を目の当たりにしてきた世代からすれば、当然のように思える。
近年、最初に大画面モニターに驚かされたのは、間違いなくテスラだったはずだ。そのタブレットを立てに置いたようなモニターサイズは15~17インチ!! それも操作系に至るまですべてモニターに集約しているため、インパネがすっきりするメリットもある。
日本車ではホンダeの世界初と謳われる5つものスクリーンをダッシュボード左右いっぱいに水平配置するワイドビジョンインストルメントパネル(5画面!!)も新鮮だった。
また、日産アリアも12.3インチのフル液晶デジタルメーターと12.3インチのモニターを並べて配置して先進感を演出(超横長の一体画面に見える)。もちろん、ナビ画面をメーターに表示することもできるからルート案内も視認しやすい。
それらに共通するのは先進性が売りのBEV(電気自動車)ということもあるはずだが、現在BEVに限らず、大画面モニターが幅を利かせている。
また、かつてのテスラ各モデルのような縦型モニターを採用している例も少なくない。ボルボ全車、デビュー当初のトヨタプリウスPHV。スバルレヴォーグに新型レガシィアウトバックもそうだ。
横型モニターにしても、レクサス新型NX、ファミリーミニバンのはずの新型トヨタ・ノア&ヴォクシーも大画面であり、筆者のような老眼世代にはありがたすぎると言っていい。
クラウンは1枚に削減!! 一方48インチ大画面カーも登場と多種多様時代に
一方、複数枚数のモニターを用意したクルマもある。現行トヨタ・クラウンの前期型がそうで、インパネセンターに配置された上下2画面のモニターでクラウンユーザーを驚かせたものだった。
もっとも、上下2段のモニターの下段モニターは主にエアコンなどの機能の操作を行うためにあり(タッチパネル)、なんと上下に同じナビ画面を表示するような、ある意味、無意味な表示方法もあったのだ。
だが、それがクラウンのロイヤルユーザーにウケなかったのか、2020年末のマイナーチェンジで大画面モニター1画面に変更。2画面時代よりむしろ新しさを感じさせたのが面白いところだ。
しかし、複数モニターに関しては、上には上がいて、2019年のフランクフルトモーターショーで紹介された中国のEV、電動SUVのBYTON M-Byteに至っては、超横長48インチ曲面ディスプレイを搭載。インパネの縦面すべてがディスプレイになっているやりすぎ先進感溢れるデザインだったのである。
大型化はイイけど……マツダは視認性がイマイチ!! 何より各メーカーの値段が急騰中
逆に、新型車に試乗するたびに、「まだこの画面のままかよ!!」と、がっかりさせる例もある。そう、マツダである。すべての純正モニターは縦に狭い横長ワイド画面で、ヘディングアップでのナビルート案内だと、進行方向が極端に狭く、先が見通しにくい。
そうした場合、3D画面にすると多少、先まで見えることになるのだが、それでもほかの10インチ以上のモニターと比べてしまうと「残念」すぎる。マツダの某車種の開発責任者に聞いたところ、「コストの問題」とのことだった・・・。
もちろん、大画面モニターはTV同様にサイズ次第で価格も高価。それがユーザーに直接跳ね返ることも忘れてはいけない。
新型トヨタ・ノア&ヴォクシーにオプションの10,5インチ・ディスプレーオーデイオPlusは上級のノアS-Zの場合、19万300円となる。内容を考えれば決して高くはないが、それでも約20万円増しだ。S-Gグレードであればアドバンストパークなどの先進機能もセットでHVの場合、30万2500円と負担はさらに増すのだ。
画面位置も千差万別! ヘッドアップディスプレイで補完する例も
大仮面のモニターはナビだけでなく、様々な機能、操作を集約しているのが今のトレンドだが、その位置についても各車さまざまだ。理想は運転視界から視線を下げずに済む、比較的高い位置だろう。
新型トヨタノア&ヴォクシーは10.5インチもの大画面モニターがメーターとほぼ横一線に並んでいるから、実に見やすいと感じさせるし、メーターパネルを含む5つものスクリーンをダッシュボード左右いっぱいに並ばせるホンダeもしかりである。
ところが、新型メルセデスベンツCクラスに試乗した際、縦型というよりスクエアな大画面の11・9インチモニターは、メーター位置からするとやや下に配置されていることに気づいた。それだと、ナビ画面などを見る際、視線を落とすことになるはずである。
だが実はフロントウインドーに大きくカラフルにヘッドアップディスプレイが表示され、ドライバーはルート案内中でも前を向いていればよく、モニターを注視する必要がないことになる。
さすが、メルセデスベンツ!!とい言いたいところだが、ヘッドアップディスプレイが派手!?すぎて前方視界に影響しないわけではなく、一長一短に感じたのも本当だった。
老若男女問わず大画面は大歓迎!! 唯一の懸念は価格だ
筆者の考えとしては、センターモニターの大画面化は、老眼高齢ドライバーならずとも、先進感、見やすさといった点では大歓迎(価格はともかく)。が、むしろ幅広い車種に展開してほしいのは、アウディがいち早く採用したと記憶する、今ではVWゴルフにさえ用意されているフルデジタルメーター内のナビ表示。
センターモニターがいかに大画面であっても、ナビのルート案内画面を直視するには、左右の視線移動が必要になる。 だがメーター内にナビのルート案内が表示されていれば、ほぼ運転視線のままルート案内を確認しやすく、視線の移動量は最小限で済む。
その上で適度なサイズのセンターモニター装備なら価格的にも高くなりすぎず、運転に不慣れなドライバーであっても、安心してルート案内に沿ったドライブが可能になると思えるのだ。
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投稿 縦2枚画面は失敗か!? スカイラインとクラウンから考える複数モニター設置位置の是非 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。