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<p>【Ubuntu日和】 【第1回】Ubuntuのススメ</p><p>連載【第1回】Ubuntuのススメ</p><p>先月公開されたUbuntuの記事の反応がとても良かったとのことで、今回から隔週でUbuntu Japanese TeamのメンバーがPC Watchの読者に向けて、世界的に人気なLinuxディストリビューションの1つ「Ubuntu」の使い方を紹介することになった。ぜひご贔屓のほどを。</p><p>2年に1度、偶数年の4月に「長期サポート版(Long Term Support:LTS)」をリリースする LTSのサポート期間は5年(有償サポート込みで10年) このため「次はいつリリースされるのか」、「これはいつにリリースされたバージョンか」「いつまでサポートされるのか」などが、バージョンだけでわかるようになっている。 一般的なソフトウェアは、ある程度不具合が修正されてから最終的にリリースするかどうかの判断が行なわれる。それに対してUbuntuの半年間の開発が開始する前から「リリース日」を決めておき、それに向けて作業を行なう。リリース時点で多少の不具合があっても「こういう問題があってあとで直すから気をつけてね」とリリースノートに記載するだけで済ます。過去に なんてこともあったが、これもリリース日までにはなんとかなった。もし多少遅れたとしても「UTC-12(日本時間で次の日の21時)」までであれば「リリース日を守った」と言い張れる。協定世界時から前後12時間ずつ幅を取るのが、Ubuntuのリリース時間なのだ。 唯一の例外が、2006年6月にリリースされた「Ubuntu 6.06 LTS」である。このリリースでは初の長期サポート版、インストーラーの刷新、多言語対応など目標とした開発項目が盛り沢山だったため、リリース1カ月前に「6週間延期する」という判断が行なわれた。 唯一6月リリースとなったUbuntu 6.06 LTS。この頃のUbuntuは「茶色っぽいUIのあれ」と認識されていた。ドキュメントのフォントが微妙な感じではあるものの、きちんと日本語化されている ちなみにUbuntuのような厳密な意味での「タイムベースのリリース」を採用しているLinuxディストリビューションは少ない。ただし、ある程度の定期的な間隔でリリースするものは存在する。たとえばDebianは2005年の3.1リリース以降、2年ごとに最新版をリリースしている。 いずれにせよ登場した当時のUbuntuは、「比較的新しいカーネルやデスクトップ環境を、比較的簡単な方法で試験・導入でき、比較的短い周期で最新版が提供される」という、Linuxのデスクトップ環境を使いたいユーザーにとっては魅力的な仕組みになっていたのである。 現在でもこの特徴は維持されている。ただし「誰にでも簡単に使えるLinuxシステム」は、今ではもうUbuntuだけの話ではない。ほとんどのLinuxディストリビューションが、デスクトップ環境の構築を当たり前のように簡単に行なえる。「タイムベースのリリース」を採用しているところは多くはないものの、よりアグレッシブな常に最新版を使える「ローリングリリース」を採用しているディストリビューションも増えてきた。 それでもUbuntuはまだ「使いやすいLinux」の部類に入っている。特に「何も考えずに、みんなが使っていそうなものを、必要な分だけ用意し、それをそのまま使える」という用途においては、Ubuntuは有力な選択肢となるだろう。 本連載ではUbuntuを中心に紹介する。しかしながらどのLinuxディストリビューションも、ごく僅かな例外を除いてLinuxカーネルを採用していることには違いはない。また、Ubuntu上のユーザーランドプログラムも、おおよそほかのLinuxディストリビューションでも利用可能だ。もちろんリリースごとで採用されているバージョンや、適用されているパッチは異なる。しかしながら、極端な話、パッケージ管理システムと基本コンセプトの違いさえ吸収できれば、どのLinuxディストリビューションでも連載で紹介する手順そのものは適用可能だと考えて欲しい。 結局のところ、Linuxディストリビューションなんて、一番フィーリングが合うものを選べば良いのだ。</p>