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<p>【山田祥平のRe:config.sys】 上を下へと右往左往のモニター考</p><p>【山田祥平のRe:config.sys】上を下へと右往左往のモニター考</p><p>目の前に拡がる矩形。それを机上に見立てて作業するのが現代のパソコンの使い方だ。手の平サイズから50型近い大画面までを組み合わせる。縦に伸ばしたり、横に伸ばしたりで拡張する。モニターの枚数をとるか、広い1画面をとるか。組み合わせはよりどりみどりだ。</p><p>モニターの両脇にUSB Type-Cポートが装備されているので、縦位置で使う場合、上か下にケーブルが生えることになり、ちょっとみっともないイメージもあるので、本当なら長辺と短辺にポートが装備されていた方が使いやすかったかもしれない。 その軽さといい、映像の品位といい、かなり魅力的なモニターだ。gram 16との組み合わせを想定した製品で、この2機を並べると、32:10縦横比の28.5型モニター相当となる。もちろん、ほかのノートPCとの組み合わせ、あるいは、デスクトップでの据置モニターとの組み合わせでも便利に使えそうだ。ただし、入力はUSB Type-Cだけだ。 あの手この手で拡張されるモニター空間 モニターは、PCでの作業空間として、とても重要な役割を果たす。そして、ユーザー自身に高いスキルがなくても、広くて使いやすい空間があるだけで、仕事がはかどる。そこに注目するのは大事だ。 もちろん、サイズの大きなモニターを設置できない事情もあれば、電気代等のランニングコストもあるし、当然、導入するにも予算が必要だ。PCよりもずっと寿命が長いと言っても、なかなか、そこに踏み切れない事情もあれこれあるに違いない。 だから、誰もがはいそうですかと、広大な作業空間を手に入れられるわけでもない。特に、組織からあてがわれる環境をそのまま使うしかない立場ではそうだ。 それでも、LGのような大手のベンダーが、あの手この手で多彩なモニター空間の拡張を提案するのはとても大事なことだ。このあたり、HPやデル、レノボといったベンダーも熱心なのはうれしい。 LGやサムスンのようなシェアの高いベンダーからバリエーションに富んだパネルが外販されるようになれば、他ベンダーのエンドユーザー向け最終製品のバリエーション拡張にもつながっていく。色々な提案ができるに違いない。 誤解を怖れずに言えば、個人的には、ヘッドマウントディスプレイなどを使ったモニター空間が、日常的なPC作業のために、一般的に使われるようになるとはあまり考えていない。 もしそうなるとしても、ずっと先のことになるだろう。エンドユーザーの負担という点では至近距離での視認や、頭に覆い被さるマウント方式などは、決して長時間の利用には向いていないし、何よりも、日常から隔離される没入感が、本当に生産性に貢献するのかどうかというのは作業内容に強く依存するようにも思う。それこそ、タブレット登場時に云々された、情報の消費と生産のような議論を含めて慎重に考える必要がある。 コロナ禍によって、働く空間のコンセプトにも変化が生じている今、ただ映ればいいというのではなく、モニターによる視覚の拡張について、もっと真剣に考える必要がありそうだ。 ▲</p>