ランボルギーニ・パークに養蜂場を設置
国連により、毎年5月20日を「世界蜂の日」とするとの決議が採択されたのは2017年12月20日。現在、ランボルギーニは、本社周辺地域のCO2削減プログラムを介して、約60万匹ものミツバチの飼育や周辺環境のモニタリングを行っている。
現在ランボルギーニ・パーク養蜂場には13の巣箱が設置されており、約12万匹のミツバチが地域内で花粉を採餌。このミツバチたちは、ランボルギーニの生態系保護を目指した取り組みの一環として、2016年から環境バイオモニタリング・プログラムに貴重なデータを提供している。
最新技術が投入されたテクノロジー巣箱
アウディ環境財団(Audi Environmental Foundation)とのパートナーシップにより、ランボルギーニは2021年、内外気温、湿度、風速を測定可能な「テクノロジー巣箱」を設置。ミツバチが十分な蜜と花粉を集めているか、ミツバチのコロニーが期待通りに育っているかを遠隔監視するため、巣箱の重量を測る電子重量計も搭載されている。この最新巣箱にはSIMも内蔵されており、測定したデータを外部へと送信することも可能だ。
ひとつ目の巣箱には、内部と外部に2基のカメラがあり、巣箱へのミツバチの出入りを撮影。ミツバチが正常に働いているかどうかをモニタリングしている。ふたつ目の巣箱には電子式ミツバチカウンターが搭載されており、計測したデータと巣箱に出入りするミツバチの数を比較するグラフを表示することができる。
これらの情報は、気候変動がミツバチのコロニーの発達にどのような影響を与えるかを研究者に提供し、天候や気候異常時にコロニーを維持するため、臨機応変な対応を行うことができるようになる。例えば2021年に起こった長期間の干ばつでは、養蜂場の年間生産量は約100kgも減少した。
周辺地域の環境保全を進めるランボルギーニ
ミツバチは、巣箱を中心に半径3kmのエリアで効率的に蜜、花粉、水を採餌する。このエリアには養蜂場のあるランボルギーニ・パークだけでなく、田園地帯、多くの企業が集まる工業地帯、サンタアガタ・ボロネーゼの市街地も含まれている。
ランボルギーニは、昆虫学者や養蜂学者と協力して、巣の分析を行うことで、農業や都市・個人の緑地で使用される農薬から、重金属、多環芳香族炭化水素(PAHs)、ダイオキシンなど、さまざまな汚染物質も検出。その対策も行っている。
ランボルギーニにとって、ミツバチのバイオモニタリング・プロジェクトは、従業員とその家族に対する責任だけでなく、地域社会の健全な環境を確保するという責任も伴っているという。ミツバチを含む生態系を保護することで、健全な環境を保全できるとランボルギーニは考えているのだ。