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<p>拉致家族面会 わずか10分間のオバマ氏、バイデン氏は?</p><p>拉致家族面会 わずか10分間のオバマ氏、バイデン氏は? 過去を振り返れば時の米政権の拉致問題への姿勢が浮き彫りになる重要な場面なだけに、バイデン氏がどう臨むかが注目される。</p><p>日米両政府はバイデン米大統領の来日に合わせ、北朝鮮による拉致被害者家族との面会を調整している。米国の関与を明確にすることで、解決への意思を国内外に示す。過去を…</p><p>日米両政府はバイデン米大統領の来日に合わせ、北朝鮮による拉致被害者家族との面会を調整している。米国の関与を明確にすることで、解決への意思を国内外に示す。過去を振り返れば時の米政権の拉致問題への姿勢が浮き彫りになる重要な場面なだけに、バイデン氏がどう臨むかが注目される。 「バイデン氏と拉致被害者家族との面会が実現できれば、拉致問題への米側の理解が一層深まる」 歴代大統領の面会に臨む温度感は一様ではなかった。オバマ元大統領が平成26年4月に来日した際は、面会前夜になっても正式に日程が固まらなかった。当時の米国務省内には、北朝鮮との非核化交渉を進める上で拉致問題を「障害」とみなす冷淡な風潮があった。 政府関係者は「安倍晋三元首相がすし店でオバマ氏に面会を直接要請し、ようやく決まった。それでも、わずか10分間の立ち話がやっとだった」と明かす。 対照的だったのがトランプ元大統領だ。29年9月の国連総会演説で拉致問題を取り上げ、「13歳の日本人の少女を拉致した」と異例の言及。同年11月の来日時には拉致被害者家族と車座で約30分間対面し、激励の手紙を送った。令和元年5月に来日した際も拉致被害者家族に会い、この時も手紙を送っている。 北朝鮮が非核化と引き換えに求める経済援助の中核は日本が担う。トランプ氏は安倍氏との信頼関係を築く中で、日本が重視する拉致問題の解決がなければ非核化も実現しないという認識を共有していった。 日本が恐れるのは、かつてのオバマ政権の姿勢への逆戻りだ。政府関係者は「拉致問題の重要性はバイデン政権にも伝え、理解を得ている。同じ米民主党でもオバマ政権時とは違う」と話す。 バイデン氏は21日に行われた米韓首脳会談後の共同記者会見で「抑止態勢をより強化し、朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組むことで北朝鮮の脅威に対処していく」と強調した。ただ、北朝鮮が実際に大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射や核実験に踏み切った場合の対応は不透明だ。日本が米大統領と拉致被害者家族の面会を重視する背景には、北朝鮮に強いメッセージを送ると同時に、拉致問題への米国の関心を絶えずひきつけておくという側面もある。(石鍋圭)</p>