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江戸っ子は初物に目がなかった。「だいぶ時鳥(ほととぎす)の声を聞くが、まだ鰹(かつお)の声は聞かねえようだ」。長屋の住人が言うと、ちょうど「鰹、鰹」の売り声が聞こえてくる。河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)作「髪結新三(かみゆいしんざ)」の一場面だ▲悪事で金もうけをたくらむ新三は、値…