MHEVからPHEV、BEVまで幅広くラインナップ
BMWは4月20日、新型7シリーズを発表した。初代7シリーズ登場から45年、7代目となる新型7シリーズは、「ラグジュアリーセグメントで最も先進的で革新的な車両」であるとのこと。BMWシアタースクリーン、最新世代のBMWオペレーティングシステム8を搭載したBMW iDrive、自動駐車および操縦用のBMWカーブドディスプレイおよびマニューバアシスタントなどの革新的な機能が盛り込まれている。
新型7シリーズは、グローバル化された市場で特に要求の厳しいターゲットグループ向けにゼロから設計されたという。これは、最重要販売地域である中国市場専用モデルや、ヨーロッパ向けのディーゼルモデルなど市場固有のドライブシステムに反映されている。従来とは異なり、新7シリーズは後部のスペースを最大化したロングホイールベースモデル(3,215mm)のみ。シリーズには、BMW iおよびBMW Mモデルも含まれており、サステイナブルかつエレガントなモデルから、ダイナミックでスポーティなモデルまで幅広い。新型7シリーズは今回初めて、燃焼エンジンとPHEV(プラグインハイブリッド)、そしてBEV(全電気自動車)の選択肢を提供することとなる。
BMW i7は全電動モデルであり、先進的な贅沢さとサステイナビリティを併せ持つプレミアムモビリティを例示したものとのことだ。11月には世界規模で販売が開始される予定だが、ヨーロッパでの市場投入は、当初は全電動モデルi7 xDrive 60のみ。米国や中国、その他いくつかの地域ではそれに加えて、48Vマイルドハイブリッドの2モデル(8気筒あるいは6気筒のガソリンエンジン搭載)がリリースされる。ディーゼルエンジン搭載モデルは追ってヨーロッパ市場に加わり、PHEVモデルは2023年にグローバルにリリースされるという。BMW Mが手掛けるフラッグシップのi7 M70 xDrive(全電動モデル)とPHEVのM760e xDriveも、2023年中に発売されるとのこと。
印象的なボディスタイル
ソリッドなボディ表面と新しいフロントエンドによるボディスタイルが、新型7シリーズを印象深いものとしている。やはり目を引くのはフロントマスクで、大型化されたキドニーグリルと二段構成のヘッドライトが強烈だ。グリルは最近のBMWのトレンドに則り、イルミネーションで光るようになっている(アイコニック・グロー)。
前述の通りホイールベースは全モデル3,215mmで、これは先代のロングバージョンより5mm長い。全長は130mm、幅は48mm、全高は51mm高くなっている。
後席はよりゴージャスなおもてなし空間に
リアシートの快適性は著しい進化を見せているとのことで、標準のコンフォートシートに加え、マルチファンクション・シートがオプション設定。エグゼクティブ・ラウンジ仕様(オプション)では、リクライニングポジションと、段差のないレッグレストでくつろぐことができるという。
標準の4ゾーン自動空調システムはナノ粒子フィルターを用いたもので、センターコンソールとドアトリムのアームレストにパネルヒーティングを装着することも可能(オプション)。パノラミックグラスルーフも標準装備となるが、さらにオプションで、LEDライトが縦じまを形作るスカイラウンジ・パノラミック・グラスサンルーフも用意されている。
後席にはさらなる車内娯楽ギアを用意。BMWシアタースクリーン――天井に折り畳んで収納されているワイドスクリーンがそれである。このスクリーンは31.3インチ(フォーマットは32:9)、7,680/2,160ピクセルのウルトラHDクオリティを持つディスプレイで、アマゾンFire TVが組み込まれており、車内をプライベートなシネマラウンジに変えてしまう。音響はB&Wによるものでヘッドレストに埋め込まれているほか、オプションでバックレストそのものに装着することも可能だ。
スポーティかつラグジュアリーで先進的なインテリア
ドライバーの前には12.3インチのインフォメーション・ディスプレイと14.9インチのコントロール・ディスプレイが、カーブド・グラスに覆われて、ウッドあるいはカーボンのトリムの上に鎮座している。その下を走ってドアトリムまで伸びているのがBMWインタラクション・バーで、インテリアライトとデコレーション要素だけでなく操作パネル、さらにエアベント(ほぼ見えない)までがここに統合されている。
ステアリングホイール(グレードによって2本あるいは3本スポークとなる)にはハプティック入力ボタンが備わる。センターコンソールに設けられた精巧なバックライト付きコントロールパネルは、新たにデザインされたギアセレクターだ。
インテリアにはレザー調の生地「Veganza」が使われており、カラーバリエーションは4色が標準。オプションでメリノレザーが用意されており、またMモデルおよびMパッケージではBMW Mスポーツインテリアとなるが、こちらのカラーはいずれも5色。またメリノレザーはさらに2色を組み合わせたものが選べるほか、メリノレザーとカシミールウールの組み合わせも可能となっている。
モーター、バッテリー、エンジン、全てが進化
BMW i7 xDrive60は全電動モデルであり、前後アクスルに各1基のモーターを搭載。出力はフロント用が190kW(258hp)、リア用が230kW(313hp)で、システム総合出力400kw(544hp)。ホイールスリップ・リミテーション機能によって落ち着きと安定性のある前輪駆動ドライブを実現したという。0-100km/h加速は4.9秒、最高速は240km/h。BMWのeドライブ・テクノロジーとしては第5世代にあたり、モーター、バッテリー(容量101.7kWh)など全ての要素の進化によって、フル充電で航続可能な走行距離590~625km(WLTPモード)を実現したとのこと。充電電力はDC充電時に195kWにアップ、これは航続距離で170km、あるいは10分ほどの航続時間の延長となる。
2023年に加わる予定のPHEVでは、電動走行可能な距離は80kmに達する(WLTPモード)。電気モーターはトランスミッションに組み込まれ、直列6気筒のガソリンエンジンと組み合わされるが、従来のモデルより出力と燃費の向上を実現、バッテリー容量も50%アップしたとのこと。
マイルドハイブリッドの760i xDriveは4.4LのV8ガソリン・ツインターボエンジン(出力400kW/544hp、下の写真左)を搭載、アメリカその他いくつかの地域では7シリーズのデビューと同時に導入される。新世代の直列6気筒エンジン(3Lツインパワーターボ)もマイルドハイブリッドとしてデビューと同時に導入となり、740i(280kW/380hp)はアメリカと中国、735i(286hp)は中国その他いくつかの地域にてリリース。直列6気筒ディーゼルエンジン(300hp、下の写真右)の740d xDriveは2023年春、ヨーロッパその他の地域にてラインナップに加わる予定だ。
スポーツ走行の楽しさと快適性を併せ持つというシャシーには、アダプティブサスペンションとエアサスペンションが標準で備わる。さらなる安定性をもたらすインテグラル・アクティブ・ステアリング(速度に応じて切れ角と位相を変化させる四輪操舵)とエグゼクティブ・ドライブ・プロ(フロントウィンドウに設置されたカメラが路面の凹凸等を検知しサスペンションを調整、さらに横揺れを安定させるアクティブ・スタビライザーと組み合わせたもの)もオプションで用意されるという。
また、電動化されたMモデルは前述のように2023年にリリースされる予定だ。全電動モデルのi7 M70 xDriveは出力485kW(660hp)、PHEVのM760e xDrive(写真下)は420kW(571hp)となる。
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