GRX-810合金は、1000度の高温に耐え、将来的にロケットエンジンの設計にとって重要な素材となるかもしれません。
これは、酸化物をむらなく3Dプリントした強化合金です。つまり、素材の格子内の正確な位置に様々な種類の粒子を配置することによって、その構造は高度に設計されています。これらの素材は驚くほど耐久性があり、宇宙またはそれに近い厳しい気象条件に最適です。
NASAは、そのような条件において、現在使用されている既存の合金よりも1000倍の耐久性を持つと説明しています。その長い寿命と、3Dプリントで作成されたパーツによって最適化されたプロセスは、宇宙飛行の費用に大きな影響を与えるはずです。
ただ、「1000倍長持ちする耐久性」ということと「1000倍の強度を持つ」金属であるということは同等ではないという点には注意が必要です。つまり、熱や圧力に対する耐性が強化されたことで、素材の寿命が長くなったということです。とは言うものの、GRX-810は破損に対する強度も2倍に上がっています。NASAは、従来の代替品よりも3.5倍も柔軟に曲げたり伸ばしたりすることが出来るとも説明しており、これは素晴らしい性能です。
NASAは、熱力学的コンピューターシミュレーションを使用して、この合金に必要な組成を開発し、わずか30回のシミュレーションで最適な組成が導き出されたと話しています。
航空宇宙向けの用途以上に、このような種類の材料工学が、自動車やモバイルデバイスといった消費者中心の製品の設計にどれほど早く普及するのかどうかは気になるところです。細かいディティールを非常に正確に3Dプリント出来ることと、それぞれの作業に適した材料開発によって、設計にはさらに多くの可能性が開かれそうです。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
原文はこちら
The post NASAの最先端合金は1000倍長持ちに first appeared on Ubergizmo JAPAN.