SOMETIME’Sが自身主催のツーマンライブシリーズ『SOMETIME’S Presents 2022 2man Live Series “League”』を4月16日、Shibuya WWW X公演よりスタートさせた。2022年のSOMETIME’Sはこのライブシリーズを軸に活動していく予定で、現時点では6月17日、8月19日の開催が発表されている。記念すべき第1弾にあたるこの日はYAJICO GIRLをゲストに招いた。
まずはYAJICO GIRLのライブからスタート。吉見和起(Gt)、榎本陸(Gt)、武志綜真(Ba)、古谷駿(Dr)がセッションするなか、四方颯人(Vo)もステージに現れ、「どことなく君は誰かに似ている」を1曲目に届けた。幻想的な照明も相まって音の海にトリップした感覚だ。冒頭3曲は最新作『Retrospective EP』からでバンドの最新モードに対する矜持が窺えるが、丁寧なエスコートも欠かさず、ミニマムなところからじわじわと開けていく音像に観客は思い思いに揺れている。演奏するメンバーも気持ちよさそうだ。ステージとフロアで何か共有できている手応えがあったからであろう、MCでの最初の一言は「いや、最高。めちゃ気持ちいい!」で、5人ともリラックスしている様子。この幸福な空気は、言葉数よりも音数を重ね、音楽で以ってコミュニケーションしていったからこそ得られたものだ。また、そのような選択をした点にバンドが大切にしていること、そしてYAJICO GIRLファンのみならずSOMETIME’Sファンも含めた観客への信頼が表れていたように思う。SOMETIME’SとYAJICO GIRLが対バンするのはこの日が初めてだったが、初競演を通じて、互いの音楽の親和性をメンバー自身感じ取れたのではないだろうか。「早いね、ツーマンなのに」「楽しすぎてすぐやわ」という感覚とともに迎えたラストは「Life Goes On」。バンドサウンドは最後の瞬間まで力強さを増していき、四方もそこにファルセットを重ねるなど、エネルギーに満ちた演奏が心に残った。
ホストのSOMETIME’Sは、メンバーのSOTA(Vo)、TAKKI(Gt)に、SOMETIME’Sの楽曲の編曲を手掛け“第3のメンバー”として知られる藤田道哉(Manipulator)、そして佐々木恵太郎(Ba)、冨田洋之進(Dr/Omoinotake)、清野雄翔(Key)、大泊久栄(Tp)、永田こーせー(Sax)をサポートに迎えた8名編成でオンステージ。鍵盤の音色をバックにSOTAが豊かに歌い上げるバラード「I Still」でドラマティックに幕を開けた。歌い出しは繊細だが、途中からバンドが合流し、徐々に熱量を上げていく。アウトロに達した頃には弾けるようなアンサンブルが繰り広げられていて、SOTAもTAKKIも楽しげな表情だ。「こーんばーんわー!」と両手を上げて挨拶するSOTAのテンションは高く、「楽しんでちょうだい!よろしく!オーライ!」と観客に投げかける。ブラス隊の奏でるイントロに手拍子が起こり、始まった2曲目「Stand by me」で、バンドメンバーによるソロ回しはもちろん、それを受けてSOTAのボーカルが情熱的になっていくところまで含めて熱い展開だ。その後さらなる盛り上がりをもたらしたのが「Honeys」。転調を華麗に乗りこなすTAKKIのソロが世界を切り拓いていく様もたまらなかった。
「まだまだいろいろあるけど、我々には音楽を楽しむ権利がございますので、最大限行使していい時間を作っていきましょう!」(SOTA)との言葉が導いたのは、タイトなビートにTAKKIの細やかなリズムワークが絡む「Get in me」からミラーボール回る「Never let me」へと続くダンスミュージックセクションだ。MCでは、お酒なしでは人と仲良くなるのが苦手だというSOTAが、YAJICO GIRLとまだ距離を縮めきれておらず、楽屋に挨拶に行こうとするも2度引き返したと告白。その他にも、新曲「Somebody」がOPテーマを務めるドラマ『先生のおとりよせ』を観て清野がオイルサーディンを取り寄せたことや、それを一緒に食べるのを楽しみにしていることなどを明かし、場を和ませた。
そう。ライブに先駆け、4月8日に新曲「Somebody」がリリースされたのだ。この日の「Somebody」は、「シンデレラストーリー」がもたらした高揚感をさらに引き上げるような形で演奏された。譜割りが細かく、どの楽器も絶えず動き回る構成は耳に楽しく、大胆に音像を変える中盤の展開やその後のギターソロ、ラストの転調もフックとなっている。SOTAとTAKKIによるアウトロでの掛け合いも最高だ。「Somebody」がライブで演奏されるのはこの日が初めてだったにもかかわらず、観客は根こそぎハイになっている。新たなキラーチューン誕生の瞬間を目の当たりにしたのだった。
「KAGERO」をしっとりと演奏し、空気をがらりと塗り替えた頃にはライブもいよいよ終盤だ。MCでは、SOTAが、ライブタイトルにある“League”は“同盟”という意味であり、今SOMETIME’Sは“仲間を見つけていこう”というテンションだと語り、対バン相手だけでなく、スタッフやファンも仲間なのだと強調した。そのうえで続ける。「今の自分たちにとても自信があるんですよ。チームがヤバいくらい良い。今年、自信あります。僕ら間違いなく売れます」と。そんな発言と同じくらい頼もしいサウンドで奏でたのは「Morning」で、本編ラストは「Take a chance on yourself」。SOTAが「聞かせてくれ!」と投げかけると観客が大きな手拍子で応えた。クライマックスでは永田の爆裂プレイにSOTAとTAKKIが笑い、フロアから拍手が起きたが、メンバーはもちろん、サポートメンバーがファインプレーをした時にも拍手を送る観客のテンションが気持ちよく、そんなところからも“チームSOMETIME’S”の姿が感じられた。
アンコールでは、TAKKIが「ライブハウスに来るのに緊張しない世の中になればいい」という思いからライブを続けているのだとSOMETIME’Sの姿勢を明言。そして「みんながライブハウスで当たり前に笑って、僕らがライブハウスで当たり前に楽しめる世の中になるまで絶対にやめない。そういう歌を歌って終わりたいと思います」(TAKKI)と「You and I」へと繋げた。ダメ押しのテンポアップとともにドタバタと駆け抜けるラストは、SOMETIME’Sらしく笑顔溢れるものとなった。
この日のライブ中に発表された通り、6月17日のShibuya WWW X公演はNakamuraEmiを迎えて開催。また、4月に「Somebody」がリリースされたのと同様、6月、8月のライブに合わせて新曲がリリースされるとのことなので、そちらも楽しみにしていたい。
TEXT BY 蜂須賀ちなみ
◆ライブ情報
SOMETIME’S Preまるsents 2022 2man Live Series “League”
2022.06.17(金) @ Shibuya WWWX
w/ Nakamura Emi
OPEN/START 18:00/18:30
TICKET:前売り4,800円(税込・自由) [1ドリンク代別途]
<オフィシャル先行>
チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/sometimes-of/
受付期間:4/25(月)23:59まで
(問)H.I.P. 03-3475-9999 / www.hipjpn.co.jp
◆番組情報
●『SOMETIME’Sのアプガリ』
毎週月曜19時ごろ配信
ニッポン放送PODCAST STATION、poddog他、Apple、Spotify、AmazonMusic等各種Podcastアプリで配信中
●番組URL https://podcast.1242.com/show/sometimes/
●番組アドレス upup@1242.com
◆リリース情報
●SOMETIME’S「Somebody」(テレビ東京 ドラマ25「先生のおとりよせ」OPテーマ)
配信中!
AppleAdd/SpotifySave URL:https://www.toneden.io/ponycanyon-1/post/sometime-s-new-single-somebody-spotify-pre-save-somebody
特設サイト:https://sometime-s2022.ponycanyon.co.jp/
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【基本情報】
ドラマ25『先生のおとりよせ』
放送日時:2022年4月8日(金)より毎週金曜日24:52~
放送局:テレビ東京ほか
主演:向井理
出演:北村有起哉、橋本マナミ、神尾楓珠、財前直見
原作:中村明日美子・榎田ユウリ「先生のおとりよせ」(クロフネコミックス/リブレ刊)
監督:守屋健太郎、本間利幸、保坂克己
脚本:三浦希紗、谷口純一郎、藤平久子
音楽:牧戸太郎
プロデューサー:森田昇(テレビ東京)、間宮由玲子(テレビ東京)、竹内一成(ジャンゴフィルム)
製作著作:テレビ東京
制作協力:ジャンゴフィルム
◆About SOMETIME’S
https://lit.link/sometimes
◆SOMETIME’Sプロフィール
2017 年 SOTA(Vo.) と TAKKI(Gt.) で結成された音楽ユニット。”Sometime” = いつか、“Sometimes”= 時々もしあなたが夢を叶えるために毎日頑張っているなら、その夢かが「いつか」叶うようにという思いと「時々」 休んで欲しいという思いをこめて SOMETIME’ S と名付けられている。
ソウルフルなボーカルと、美しく強いファルセットが印象的なSOTAの歌声とTAKKIの表現力豊かなギターが支える楽曲は、ソウル、ファンク、R&B、AOR、ジャズ、ハウスなどボーダレスに様々なジャンルを飲み込みつつも、耳の中で何度も反芻できるようなキャッチーさを持つ独自のポップスに昇華させていることが特徴。
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