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レクサス

| ひとつに絞ると思われたEV用プラットフォームも「複数を用いなければ計画をカバーできない」として新規の開発を検討中 |

やはりEV化はやってみないとわからないことが多いようだ

さて、レクサスはちょっと前にトヨタとともにEV化戦略を発表しており、そこでは「7種の」ピュエアレクトリックカーの登場を示唆する画像を公開しています。

その中の一台は「RZ」として発表されていますが、そのほかにもSUV、クーペ、オープンカー、スーパースポーツ、ワゴン(シューティングブレーク)といったクルマの姿も見え、多様化を目指しているであろうことも伺えますね。

そして今回レクサスの欧州法人にてEVプランニングディレクターを務めるスピロス・フォティノス氏が、カーメディアに対して「今後のEV展開において、特定のボディスタイルやセグメントを排除するつもりはない(つまり何でも有りうる)」とコメント。

レクサスはSUVの代替ボディタイプにも取組中

同氏は現在のSUV人気を認めつつ、そのほかのボディタイプについても可能性を切り捨てないことに言及し、たしかにレクサス初のEV専用モデルはSUVボディのRZではあるものの、「幅広い車種を提供すること」「ヨーロッパにてシェアを拡大できるSUVの代替ボディタイプに取り組んでいること」についても触れています。

加えて、生産が終了した「CT」の後継モデルがSUVになるのではとウワサされていることについても「何ら可能性は除外しない」と述べ、「我々が参入するのは、欧州でボリュームセラーとなっているセグメント」だとも(となるとコンパクトクロスオーバーになるのかもしれない)。

ちなみにこの「代替ボディタイプ」についてはなんらかのヒントが示されたわけではありませんが、可能性としてはレクサスLF-30エレクトリファイド、そしてアウディ・アーバンスフィアほか多くのコンセプトカーが採用する、EVならではのメリットをもっとも活かせる「ワゴンとミニバンとの中間のようなボディタイプ」なのかもしれません(もしくは、ポルシェが投入を検討しているという”ズバリ”ミニバンか)。

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今後は「別の」EV専用プラットフォームが必要に

さらに同氏は以前に発表されたEVラインアップについても語ることになりますが、ここではちょっと意外なコメントも出ています。

これらEVについては、「EV専用設計」を持つと考えてよく、そしてEV専用設計となればトヨタ渾身の「e-TNGA」プラットフォームを採用するとも考えていたのですが、スピロス・フォティノス氏いわく、単一のプラットフォームを使用してこれらのEVすべてをカバーすることは「技術的に不可能」。

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このe-TNGAおよびエレクトリックパワートレイン「DIRECT4」はスケーラブル、つまり様々なサイズのEVに適用できること、FF、RR、4WDなど様々なレイアウトに対応したりバッテリー搭載位置の自由度が高いことから「これ一本ですべてのEVに対応できる」と認識していたものの、(現在の)e-TNGAのみではレクサスがライバルと競争する、そして今後展開するセグメントをすべてカバーできず、よってレクサスは「積極的に他の選択肢(つまり新しいEV用プラットフォーム)を検討している」とも。

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なお、EV時代になるとどのメーカーも「ひとつのプラットフォームで」すべてのクルマを提供できるようになるとコメントしていて、実際にBMWは「将来、我々のプラットフォームはひとつだけになる」と語ったこともあるほどです。

ただ、当のBMWはEV専用プラットフォームを積極的に使用せず、i3とiX3、i4と4シリーズ・グランクーペ、i7と7シリーズのように「EVとガソリン車とのプラットフォームを共有」する戦略に転換し、これには様々な理由があると思われるものの、「ひとつのEV用プラットフォームを使い回すのには限界がある」と悟ったのかも。

ちなみにメルセデス・ベンツはおなじ「S」でも「EQS」ではEV専用プラットフォーム、「Sクラス」はガソリン車用プラットフォームを採用していて、ややBMWとは異なる戦略を取っているもよう。

ちなみにポルシェも将来のEVについては、アウディと共同開発する「PPE(EV専用のプレミアムカー向けプラットフォーム)」に集約を考えていたようですが、実際にはそれが難しいと考えたのか、莫大な違約金を支払って共同開発から(一部)手を引き、自社開発・生産へと切り替えています。

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こういった事例を見ると、各社ともEV開発前には「一つのプラットフォームで十分」と考えていたにもかかわらず、実際に開発を行ってみると(ガソリン車同様に)ある程度、セグメントに応じた専用のプラットフォームでないと難しいということに行き当たり、レクサスも同様に”e-TNGAの限界”感じたのかもしれません。

そしておそらく、レクサスの場合は「スバルやマツダ」とEV用プラットフォームをシェアすることができ、それによってコストを平準化できるため、複数のEV用プラットフォームを開発したとしても「モトが取れる」のかもしれませんね。

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参照:Autocar

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