齢五十が見えてきたところで、自然と『おくのほそ道』に引き寄せられる。松尾芭蕉は四十六歳のとき弟子の河合曽良(そら)とともに東北を巡る旅に出た。五十句を編み込んだ紀行文を記し、五十歳で没している。九州で生まれ育った私は東北になじみがない。三年前に東京に転居して、気づけば東北が車で行…
齢五十が見えてきたところで、自然と『おくのほそ道』に引き寄せられる。松尾芭蕉は四十六歳のとき弟子の河合曽良(そら)とともに東北を巡る旅に出た。五十句を編み込んだ紀行文を記し、五十歳で没している。九州で生まれ育った私は東北になじみがない。三年前に東京に転居して、気づけば東北が車で行…