ル・マンをオマージュしたオルガンストップを追加
2022年、マリナーのラインナップに新たに追加されたのが、初期のル・マン24時間レースをオマージュした「18Kゴールドプレートオルガンストップ」。美しくクラシカルなスイッチは、オリジナルのベントレーボーイズに敬意を表しながら、象徴的かつ時代を越えた仕上がりを実現した。
さらに、オープンポアウッドの選択肢も増加。ストーンパネルのナチュラルな効果にヒントを得て、リキッド・アンバー、ヴァヴォナ、タモ・アッシュが、よりサステナブルなオープンポア仕上げとして追加された。すべての製品は保護のみを目的とした極薄のマットラッカーで処理され、表面に木材の自然な質感を与えている。加えて、従来の滑らかな光沢仕上げとは異なりラッカーの使用量は90%減らされた。
オープンポアのウッドパネルは、入手可能な最高品質の木材のみから選択。3層の極薄ラッカーで塗装されており、その厚さは合計でわずか0.1mmとなっている。ベントレーのハイグロスラッカーは0.5mmの厚さで、艶やかで滑らかな仕上がりを実現する。
各層は手作業で塗布され、塗布の間にサンディングを行うことでラッカーが木材の自然な溝に密着するように仕上げられている。その結果、ワックスのような仕上がりとなり、木材の持つ本物の自然な色と質感を完璧に際立たせることも可能になった。
高まるビスポークモデルへの需要
ベントレーマリナーが展開する「マリナーパーソナルコミッショニングガイド」は、ベントレーの多様で特別なカスタマーにアピールする伝統的なオプションと、現代的なオプションのユニークな組み合わせを提供。マリナーがリリースするユニークなアイテムの中から、特注のハイドカラー、塗装済みウッドパネル、パーソナルなインテリアステッチ、ツイードトリムドアインサートなどを選び、ベントレーならではの外観と質感を高めていくことが可能となっている。
最新のマリナーパーソナルコミッショニングガイドには、9名のデザイナーからの提案を掲載。これがカスタマーのインスピレーションを刺激し、自分だけの1台を作るためのベースとなる。ビスポーク需要の高まりは、マリナーのチームにとっても新たなパーソナライゼーション機能の創造に向けた挑戦になった。
ビスポークの要素を持ったベントレーの割合は、2020年の2%から現在では年間生産台数の6%に上昇。ベンテイガのカスタマーはエクステリアペイントでより個性を主張し、フライングスパーのカスタマーはデュアルフィニッシュウッドパネルなど、インテリアへの関心が高いという。
ほぼ無限の可能性を秘めたマリナーのビスポーク
2014年にマリナーのデザインチームが結成されて以来、2021年7月にはビスポークプロジェクトが1000件を達成した。現在、マリナーによるビスポークプロジェクト数は、直近10ヵ月で1350件に増加。これはカスタマーの要望に応じた様々なオプションが実現したことで、需要が喚起されたと見られている。
さらに、カスタマーがオーダーできるアイテム数も増えている。2020年には2つのアイテムのみだったのに対し、現在は7つまで増加。自身のデザインセンス、もしくはマリナーのデザインチームと共同製作することで、ボディカラーの変更から、自身のビジネスや趣味、情熱の対象をクルマのテーマへと昇華させることができる。
最近のユニークなプロジェクトとしては、ベントレー・オーランドがマリナーの幅広い能力を活用して完成させた美しいベンテイガ スピードが挙げられる。「宇宙」をテーマにした「ベンテイガ スペースエディション」は、あるカスタマーのためにオーダーメイドで製作されている。ベントレーの販売店は、マリナーの協力のもと世界中のカスタマーにエキサイティングな地域別バリエーションを提供するという、重要な役割も担っている。
世界で最も豊富なカラーパレットとインテリアオプションにより、その組み合わせは無限大とも評される。例えば現在、コンチネンタルGTで選べる仕様は170億通りにも達しているという。