2022/4/21 07:00 (JST)
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神奈川県のある公立小学校は、2020年度から通知表を廃止した。学期末や学年末になると、先生から通知表を受け取った子どもたちが一喜一憂するのは、昔から全国で一般的な風景。廃止は公立小としては極めて異例の取り組みだ。なぜやめたのだろうか。浮かんだ疑問はほかにもある。成績が分からないと、なにかと困るのではないか。そもそも通知表を出さなくてもいいのだろうか。答えを知ろうと、この学校の取り組みを追いかけた。その後の2年間で見えてきたものとは。(共同通信=小田智博)
▽大規模学校に着任した校長の問いかけ
神奈川県茅ケ崎市立香川小学校。各学年は5~6クラスあり、全校児童が千人を超える大規模校だ。国分一哉校長は、以前から通知表の在り方に疑問を持っていたという。18年4月に着任後、教員にこう問題提起した。「良い評価が多かったら喜び、そうでなければ悲しむだけ。それでは意味がないのではないか」
通知表をやめることも視野に入れた問いかけに、教員たちは驚いた。通知表は全国のほとんどの小中高校で配布されている。その起源は明治時代にさかのぼると言われ、保護者に学習状況を伝えたり、子どもの学習意欲を高めたりすることが目的とされる。
ただ、国が形式を決めているわけではなく、校長の裁量で内容を変えることは可能だ。名称も「通知表」「通信簿」「あゆみ」などとさまざまな種類がある。そして、実は作成義務もない。つまり、廃止することも可能なのだ。
香川小で当時使われていた通知表は、1~2年生を2段階、3~6年生を3段階で評価する。2学期制のため、児童は年に2回、通知表を受け取っていた。
▽「ずっと嫌だと思っていた」という教諭
校長の問題提起を受け、教員同士の議論が始まった。すると、現行の通知表に問題があると考える教員は、少なくないことが分かった。ベテランの三堀あづさ教諭もその一人。「まるで偉い人のお告げみたいに、子どもをランク付けしてしまう。有害なんです。ずっと嫌だと思っていた」
三堀教諭は違和感を抱いていたという。最高評価の項目が多ければ人格的にも優れ、真ん中の評価ばかりなら平凡な人―という図式だ。成績を付ける側にそんな意図がなくても、子どもも周囲もそんな風に受け取り、優越感や劣等感を抱いてしまう。
勉強が得意な子もいれば、苦手な子もいる。「できる」ことだけを評価するのでは、光が当たらない子どもも多い。だから三堀教諭は、いろいろな観点から子どもをほめるようと心がけてきた。「やりきったね」「優しく言えたね」「面白いね」。普段からのそんな声かけが、たった半年に1回の通知表で台無しにされているように感じた。
「通知表はインパクトが強すぎる。いくら『通知表には表せない力がある』とほめても、子どもの耳に入らなくなってしまう」と語る。
ただ、三堀教諭のような廃止論は当初、大勢ではなかった。ほかの教員からは「モチベーションになっている子どももいる」「保護者は通知表がないとさみしいのでは」という意見が出た。ほかに、こんな提案も出された。「3年生以上も2段階評価で統一することで、子どもの間に序列を付ける副作用を和らげてはどうか」
意見が分かれる中、議論のまとめ役を担った山田剛輔教諭は「何のために通知表を出すのか、という原点に戻って考えよう」と説いた。
文部科学省は、学習評価の在り方について「評価のための評価」で終わらせず、子ども自身が学んだことの意義や価値を実感し、目標や課題をもって学習を進めていけるようにすることが大事だと指摘している。教員の指導の改善に役立てることも重要だとしている。
評価というと、通知表やテストのようなものばかりが頭に浮かびがちだが、毎日の授業で子どもの取り組みに声をかけるのも、提出物にコメントを付けるのも、評価の一つの形だ。山田教諭は、子どもたちの学びを後押しする観点から考えたとき、通知表は望ましい評価の手段だろうかという問題意識を持っていた。
以下はソース元
引用元: ・【神奈川県茅ケ崎市立】通知表をやめた公立小学校、2年後どうなった? 子ども同士を「比べない」と決めた教員たちの挑戦 [孤高の旅人★]
でもコメントは嬉しかったよ
受験校は通信簿をチェックしてるからな
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