1964年の放送開始以来、オーケストラと異ジャンルの音楽を融合するなど、常に挑戦を続けてきた長寿番組『題名のない音楽会』。
5月28日・6月4日(土)の放送では「楽器は役者! 熱くドラマチックなオーケストラの音楽会」と題して、檀れいと水谷豊をゲストに迎え、2週にわたってオーケストラの魅力をひも解いていく。
水谷が監督・脚本を務め、檀が主人公を演じた6月3日(金)公開の映画『太陽とボレロ』は、ある地方都市のアマチュア交響楽団を舞台にしたハートウォーミングな人間ドラマ。
オーケストラが題材というばかりではなく、番組のMCである石丸幹二も出演し、劇中では『白鳥の湖』、『ファランドール』ほか、多くのクラシックの名曲が用いられている。こうしたことなどから縁があり、ふたりは今回『題名のない音楽会』に初登場となったそう。
檀は「子どものころからずっと続いている番組ですので、楽しみにしてきました」と笑顔で語り、水谷も「まさかこの番組に出るなんて、夢にも思ってなかったです」と感慨深げな表情を浮かべる。
◆檀れい、テレビ初披露の夢のコラボに感動
今回はオーケストラがテーマだけに、演奏するメンバーも豪華でまさにスペシャルな回に。
指揮者は世界を股にかけ、82歳となった現在も第一線で活躍する“炎のマエストロ”こと小林研一郎。そして演奏は、日本でもっとも長い歴史をもつオーケストラである東京フィルハーモニー交響楽団が担当する。
さっそく、水谷と檀もお待ちかねの演奏に。まずは『太陽とボレロ』の冒頭で使用された、ビゼー作曲『アルルの女』第2組曲より『ファランドール』を。水谷が過去に観たコンサートで強烈に印象に残っていて、ぜひ映画で使いたかったという思い入れたっぷりの1曲で華やかに幕を開ける。
そしてなんと、番組スタッフの“ムチャぶり”から、檀れいとオーケストラの夢のコラボが実現。彼女が「幼少のころにとても影響を受けた」というアニメ『ベルサイユのばら』の主題歌『薔薇は美しく散る』をテレビ初披露する。
宝塚時代からまったく色あせない檀の伸びのある歌声にオーケストラの大迫力、コーラスとして参加した石丸の低音の魅力が三位一体となった素晴らしいパフォーマンス。歌唱後の檀は「こんな贅沢なことはないです…今日は眠れません」と、感無量の面持ちになった。
さらにこの日は、劇中で水谷演じる指揮者がタクトを振るベートーヴェン作曲『交響曲第7番』第2楽章も演奏。水谷は「なんて繊細でスリリング…」とため息を漏らす。
◆「魂の叫びのよう」檀れいの瞳に大粒の涙
そして、6月4日(土)放送の第2週目は、映画のタイトルにも用いられているフランスの作曲家モーリス・ラヴェルの名曲『ボレロ』を大編成、ノーカットで披露する。
約15分間にも及ぶ圧巻の演奏が繰り広げられると、檀の瞳からは大粒の涙が。「心が震えるというか…何とも言えない気持ちになりました。演奏しているのではなく、魂の叫びのような…胸に響きました」と感動を伝えた。
また水谷は、「今日演奏を聴いて、言葉のいらない世界に連れて行ってもらえた」と身振り手振りを交えて大興奮で語る。