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<p>パンダが食べ残した竹、海底でアオリイカの産卵床に変身</p><p>パンダが食べ残した竹、海底でアオリイカの産卵床に変身 #社会</p><p>和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド(AW)」は17日、飼育しているジャイアントパンダが食べ残した竹でアオリイカの魚礁を30基作り、町内の湯崎、瀬戸、伊古木の各漁港の海底に10基ずつ設置した。竹を有効利</p><p>用する同園の「パンダバンブープロジェクト」の一環だ。(南俊彦) 同園は里山の環境保全などのため、プロジェクトを実施。これまでに穴を開けた竹の幹に光源を入れて光らせる「竹あかり」や竹の繊維を練り込んだタンブラーを作るなどしてきた。 枝や葉の利用方法を探していたところ、黒潮の大蛇行でアオリイカが最近捕れなくなったと聞き、枝葉によるイカの魚礁作りを思いついた。和歌山南漁協や町内のダイビング店にも協力を求めた。 園内でコンクリートブロックの穴にモウソウチクの枝を20本ずつ差し込んで、アオリイカの産卵床を製作した。瀬戸漁港では、漁船で200メートル沖に出て、航路にかからない場所に産卵床を投入。ダイバー6人が深さ約7メートルの海底に土のうで固定した。魚礁の重さは1基当たり約50キロという。 現在、アオリイカは産卵期を迎えている。 孵化(ふか) のシーズンが終わるまで定期的に観察し、効果を検証する。その後は海の環境を保つために魚礁を撤去する。 同園の担当者は「試験的に設置した魚礁にはすぐ卵が付いたので、今回もうまく産み付けてくれると思う。竹で豊かな海が戻ればうれしい」と期待していた。 一方で、ダイバーたちからは「土のうに麻袋を使っているが一部は破れるなどして中の砂が漏れていた。少し強度が弱いのではないか」との指摘もあり、改善を検討する。アオリイカが増えれば来年以降も行う。竹の幹を使った他の魚向けの魚礁作りにも挑む予定という。</p>