<p>総選挙にちらつく中国の影 オーストラリア国民の選択は | 毎日新聞</p><p>総選挙にちらつく中国の影 オーストラリア国民の選択は</p><p>オーストラリア総選挙は21日に投開票され、22日未明までに大勢が判明する見通し。豪州では近年、中国が選挙に介入しているとの情報が絶えず、豪州政府は外国人からの政治献金を禁止するなど海外からの政治介入を阻止する仕組みを作ってきた。だが今回の総選挙でも中国の影がちらつく。選挙戦では中国との向き合い方が</p><p>争点の一つとなっている。 「中国共産党は労働党に投票しろと言っている」。最大都市シドニーなどでは、中国の習近平国家主席が野党・労働党に1票を投じる図柄にこんなスローガンを記したトラックが走っている。現地メディアによると、与党系の市民団体による労働党攻撃の一環という。 総選挙は、モリソン首相の率いる保守連合(自由党、国民党)が勝利するか、労働党による9年ぶりの政権交代となるかが焦点。労働党は与党時代の政策が中国に融和的だったとして「親中」批判を浴びがちだ。2月には中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報(電子版)が「豪州国民はモリソンの言うことを信じなくなっている」と酷評し、労働党のアルバネージ党首を「光り輝いている」と絶賛する記事を掲載。与党による労働党攻撃の材料となっている。 モリソン政権は対中強硬姿勢を取り、2020年に新型コロナウイルスの発生源調査を求めたことで中国との関係が決定的に悪化した。日米印との安保協力の枠組み「クアッド」や米英との安保枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じて米欧日との結束を強めている。選挙戦では中国の脅威を念頭に「労働党を選ぶのは安全保障上のリスクだ」と訴えている。 ただ、モリソン政権は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の停滞などで支持率が低下しており、やや劣勢だと報じられている。豪紙オーストラリアンが5月13日に発表した世論調査でも、支持率は連立… この記事は有料記事です。</p>