<p>吉野家「生娘シャブ漬け」常務 傲慢の履歴書 | 週刊文春 電子版</p><p>「生娘をシャブ漬け戦略」 4月16日、早稲田大学で開かれた社会人向けのマーケティング講座。講師の男は若い女性向けのマーケティング戦略について、笑みを浮かべてそう語った。</p><p>「生娘をシャブ漬け戦略」 4月16日、早稲田大学で開かれた社会人向けのマーケティング講座。講師の男は若い女性向けのマーケティング戦略について、笑みを浮かべてそう語った。 牛丼チェーンの吉野家は、冒頭…</p><p>牛丼チェーンの吉野家は、冒頭の発言をした常務取締役の伊東正明氏(49)を4月18日付で解任したと発表した。一発退場となった彼はどんな人物なのか。 吉野家は「到底許容できない」と解任 「卒業後P&Gに入社すると、洗濯洗剤のアリエールなどのマーケティングを担当。『一時はP&Gの4割近くのビジネスを担った。洗濯洗剤関連は僕が幹部になった2年で歴代2番目くらいに伸びた』と豪語していた」(経済ジャーナリスト) 入社から4年間で800人の主婦にアリエールに関するヒアリングを行った伊東氏。訪問インタビューの際はわざとトイレを借り、家で使われている洗剤をチェックしていたという。 「玄関を開けるだけで自社製品が使われているか分かるようになったそうです。高校時代に落語研究会に所属していたこともあり、相手の反応を見ながら語り口を変えて、『話しながらずっと頭で計算しているんです』とも」(P&G関係者) 伊東正明氏(「Agenda note」HPより) 30代前半で部長相当職に出世。部下には「リーダーは勝てるビジョンをチームにはっきりと見せるのが仕事。『俺がやってみたい。伝説になるぞ』と思わせることが大切だ」と熱く語っていたという。その一方、「ダジャレ好きで、宴会では股間から白鳥の頭が伸びた露出度の高い服を着て同僚を楽しませていました」(別のP&G関係者) 17年に「日本の飲食を世界で成功させたい」との野望を抱き、P&Gを退社。 「伊東氏には多くのオファーが届いていたが、『商品が良い』という理由で吉野家を選んだ」(経済部記者) 18年1月に入社し、同年10月、常務に就任。19年2月期に6年ぶりの赤字に転落した吉野家で、伊東氏が特に力を入れたのが“女性客”の獲得だった。 「従来の店舗は女性にとって入りづらかった。それでも吉牛を食べたい女性は多い」(19年7月29日付朝日新聞デジタル)と睨んだ伊東氏は、テーブル席やセルフのコーヒーマシンを備えた新店舗を展開する。 「RIZAPとコラボし、牛丼のご飯の代わりに野菜サラダを敷き詰めた牛サラダを発表。記者会見では吉野家カラーであるオレンジ色のエルメスのネクタイで登場しました。他にも男性向けに超特盛を展開する一方、女性向けの『小盛』もラインナップに入れた」(前出・記者) 伊東氏が手がけた「ライザップ牛サラダ」 また伊東氏は転職と同時に自らコンサル会社を設立。アクセンチュアなど3社と顧問契約を結ぶとともに、18年7月からマーケター向けに自分の名を冠する「伊東塾」という講座を開催していた。 「塾の受講料は1回当たり5万〜12万円程度。北海道から沖縄まで全国各地で開催しており、これまでの収入はおよそ6500万円。吉野家の常務としての収入に3社の顧問料も加わり、年収5000万円はくだらないでしょう」(同前) 都心の高級住宅街に建つ家賃約50万円のマンションに妻と住む伊東氏。だが19日現在、吉野家はクビとなり、顧問契約も全て解除されている。</p>